『学力』の経済学を読んでみた

 

 

タイトルにもある通り、子どもの学習において、ご褒美で釣ってもよい?など

子を持つ親にとって永遠に議論されそうな、素朴な疑問を経済学に則って、

著者の中室牧子氏が答えてくれております。

 

手始めに以下3点、非常に気になる疑問に答えを出してくれています。

 

  • 子どもの勉強に、ご褒美で釣ってもよいか??

  • 褒めて育てることが正しい??

  • ゲームやテレビは子どもにとって悪影響??

 
どれも本当に気になることですよね。
子育てに切っても切れない行動TOP3ではないでしょうか?
それでは、ひとつずつ解説していきましょう。
 
 

子どもの勉強に、ご褒美で釣ってもよいか??

結論、筆者は「目の前のニンジン作戦」は効果的、つまりご褒美で釣って

勉強させてもよい、と訴えております。

 

実は、人間にはどうも目先の利益が大きく見えてしまう性質があり、

近い将来のことだと、たとえ小さくともすぐに得られる満足を大切に

してしまうのです。

 

この性質を利用し、子どもを今勉強するように仕向け、

勉強することを先送りさせないという戦略なのです。

 

 

褒めて育てることが正しい??

こちらも永遠の悩みと言っていいでしょう。

ついつい自尊心の高まりに期待し、

多くの人が使っているコミュニケーションでは

ないでしょうか?

 

こちらの結論としては、自尊心が高まれば、子どもたちを社会的リスクから

遠ざけることができるという、有力な化学的根拠は、ほとんど示されなかったのです。

 

むしろ因果関係が逆であり、学力が高いことが自尊心が高いという「結果」を

もたらしているのだと結論づけました。

能力を誉めることは、子どものやる気を蝕むともされています。

 

筆者の答えとしては、プロセスを誉める

(よく頑張ったね!、日頃から勉強してるね!など)が効果的で、

もっと、将来頑張ろうとやる気にさせるそうです。

 

 

ゲームやTVは子どもにとって悪影響??

厚生労働省の調べによると、小6の子供たちは、

平日に2.2時間テレビを視聴し、1.1時間ゲームを使用していることがわかりました。

確かに両親からすると心配になる時間ですよね。

 

この永遠のテーマについて因果関係を調べた研究の結果、

テレビやゲームが直接、負の影響をもたらすことは大きくないとしております。

 

たとえテレビやゲームを1時間控えさせたとしても、

増える勉強時間は、男子で最大1.86分、女子で最大2.70分増加するに

過ぎなかったと驚きの結果だったんです。

 

 

 

その他、筆者は将来、子どもが自立するにあたって、

以下の能力を鍛えることが重要であると言っています。

 

重要な非認知能力「自制心」

「マシュマロ実験」という有名な研究があります。

4歳の子どもに対して、マシュマロをいつ食べてもよいが、

大人が部屋に戻ってくるまで我慢できれば、2つ食べてもよいとする研究。

 

言わずもがな、子どもたちを追跡調査した結果、我慢した子どもたちは、

成績がよかったのです。

 

重要な非認知能力「やり抜く力」

(やり抜く力)

非常に遠い先にあるゴールに向けて、

興味を失わず、

努力し続けることができる気質。

 

このやり抜く力は、親や教師から「生まれつきの能力ではなく、努力によって

後天的に伸ばすことができる」と定期的にメッセージを送ることで養われるのです。

そのように伝えられた子どもたちは、「しなやかな心」を手に入れ、

「やり抜く力」が強くなり、その結果、成績が改善したことが明らかにされています。

 

 

 

以上いかがだったでしょうか?

なんか少し子育てに自信が持てた気がしますよね。

 

ではまた。