高1の時

下校時間に降り出す小雨

ビニール傘持ってた僕

みんな濡れながら帰る中

ゆうゆうと傘下

もうクルクル傘回しちゃうテンション

後ろから早い足音が迫る

同じ中学出身の女子

あんまり話した事ない

なのに…

「おい、なに傘持って来てんだよお前」

と中に入ってくる

口が悪い女だ

きっと育ちも悪いんだ

親の顔が見てみたい


『おい、勝手に入るな』

と言いつつ

クルクルMAX

近距離で話に花が咲く

父ちゃんがやってる工務店が潰れそうだ
って笑ってた


…別れ道

「傘貸して…」
「アンタ男なんだから濡れて帰りなよ」

変わったタイプの男女差別だ

『仕方ね~な』と遠回りして送り届ける


工務店が一緒になっているめっちゃ豪邸だった

早速 親の顔も見れました

育て方は聞かなかったけど


『じゃあね』

と帰宅しようとすると

「明日も降るらしいから貸してよ傘」

なんだコイツは

何故そんなに俺の傘に執着する

『あげるよ』と傘を渡す

「ちゃんと返すから〜」

返事をせずにダッシュで自宅へ


家に着く頃には晴れていた


翌日の下校時、超絶晴天の下で傘を返される

『ちゃんと洗ったか?』

と言うボケを無視して彼女は行ってしまった


それからしばらく雨は降らず

何週間経っただろう

朝から雨…

ビニール傘を広げる

ビニールの部分に黒いテープで

『女イルノカ』

と貼られていた

…イマセンヨ…

そう貼り直して

帰り道に彼女の豪邸へ



引っ越してました

父さんが倒産して

私立から遠くの公立に転校したらしい

彼女とはそれっきりそれっきり〜



その夜のジャワティはいつもより染みたとさ


雨の日の思い出










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