タロウ:世間はもうすっかり卒業シーズンやな

ジロウ:唐突やな。こんな真夏に旅立つ学校ないやろ?30度超えてるで

タロウ:卒業言うたら後輩が花道作って見送ってくれるのが定番やんな

ジロウ:話進めんねや。まぁええけど…後輩にボタンとかせがまれたんか?

タロウ:当たり前やがな、家着く頃にはブラしかつけてへんかったわ。

ジロウ:ブラってタロウ君…まぁ多様性やからな。えぇか。でもパンツ先にあげたの失敗やったな

タロウ:パンツじゃ無くてパンティな

ジロウ:あ、ごめんなさい

タロウ:学校から家まで駅3つやけどな、2駅目にはもうブラと靴下だけやったで。

ジロウ:卒業と同時に逮捕、起訴されるでそれ。

タロウ:なんでやねん。多様性の時代やぞ。受け容れろや!

ジロウ:いや、多様性履き違えてるわお前。そういう事ちゃうねん

タロウ:ほんで後輩みんな泣きながら、先輩私達の事、小学校行っても忘れないで下さい!言うわけや。

ジロウ:いや、幼稚園の話?卒園式?

タロウ:せやで‥ボタンくれ言うのも、園服のちっちゃいプラスチックのヤツやで。

ジロウ:帰りにすぐ無くすやろ。そんなもん

タロウ:あとは寄せ書きももろたわ

ジロウ:へぇ。えらい人気者やね

タロウ:うさぎとカメの時の先輩最高でしたとかな

ジロウ:お遊戯会やんけ

タロウ:うさぎとカメの時のロバ役は最高過ぎて伝説になってんねんで

ジロウ:そらなるわ。だって本来ロバ出てへんねんもん

タロウ:もう少しでロバ1着やったんやけどな、最後の直線でイノシシに差されて終わりや

ジロウ:イヤ、うさぎに勝たしたれよ!話変わって来るやんけ

タロウ:あとは卒業式言うたら、そのあと告白するやつとかおってな

ジロウ:誰がロバなんかに告白するかい

タロウ:校舎裏に呼び出されてやな、先輩‥今まで恥ずかしくて言えませんでしたけど、もう会えなくなるので、その前に告白させて下さい‥直線で抜いたイノシシ私です。

ジロウ:もうええわ。