「う〜〜。痛い〜〜。」
って父の声がするから、部屋に行く。
数歩ほど離れた奥座敷で、父の部屋の様子が感じられるような位置に布団を敷いて寝ている。
用事があるときはベルを鳴らしてと言っているが、肝心な時には鳴らさない父。
なので、声が聞こえたので行く。
「どうした?」
たずねると、
「右足の付け根が痛い。。。」
今までにない痛みを言うので、
「今日は往診があるから、先生に伝えようね。
少しさすってあげるわ。ちょっとは楽になるかもよ。」
と右足のお尻側の付け根をさする。
お尻なんていう肉などなく、足の付け根の骨が手のひらに収まる感じなのだ。
しばらくさすっていると、
「ありがとう」っていうから、
私も眠たいから部屋に戻る。
布団に入って、今後はどういう変化があるのかな?と思いつつ時間を観ると、
朝の3時50分。
「あ〜〜ぁっ。。。」
みたいな声がするので、また、部屋に行くと。
「鞄の中にあったお金を会社の金庫に、〇〇さんに入れといてもらおうと思ったら、
全くお金が入ってなくて。」
「。。。鞄のお財布は、枕の下に入れてるでしょ?」
「いや、そんなちょっとのお金じゃなくて、数百万。最後はお金だから。」
細々とした声で言うけど、
申し訳ないが、朝の4時から聞く話でもないので、
「寝るね」と言って、部屋に戻る。
昼間なら幾らでも聞くから、
今は後にしてくれ。
ん?ベルが鳴ってる?
とまた30分後に部屋に行くと、ベルを触っている様子はなく、
一日中聴いているラジオからだった。。。
まじか。。。。