「訪問看護事業所の管理者にはどうしたらいいですか」
そんなご質問を度々いただきます。
看護師としてのキャリアアップを考える上で、
・病院で主任〜部長を目指す
・訪問看護事業所で管理者を目指す
・看護師としての専門性を高める
・看護学校などの講師を目指す
などがよく選択肢に挙がる中で、特に訪問看護は学生実習以来触れてきておらず、想像が難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで、現役訪問看護管理者の私の経験から、訪問看護管理者を目指す上でのポイントご紹介いたします
1. 訪問看護管理者の制度上の登録要件
2. 訪問看護管理者になるまでのステップ3選
3.訪問看護管理者を目指す上で必要なこと
1. 訪問看護管理者の制度上の登録要件
厚生労働省が定める訪問看護管理者の登録要件はこちらです。
・保健師、助産師、又は看護師(准看護師は含まれません)
・当該指定訪問看護ステーションに専従、かつ、常勤の者
・医療機関における看護、訪問看護又は健康増進法の業務に従事した経験のある者
※加えて、「管理者としての資質を確保するために関連機関が提供する研修などを受講していることが望ましい」という基準もあります。
要件的には、ある程度の臨床経験がある上記資格保有者であれば、難しくはないですね
2. 訪問看護管理者になるまでのステップ3選
ⅰ) 訪問看護師として就職し、管理者を目指す
王道のステップとしては、まずは訪問看護事業所に一般職として就職し、訪問看護師としての経験を積んでから管理者になる方法です
患者様にとって「治療の場」が病院である一方、「生活の場」における看護を提供する在宅医療では、看護的視点が大きく異なります。
その訪問看護師としてのスキルに加え、スタッフ教育やチーム構築、売上管理などのマネジメント、その他必要なことを学んでいき、管理者を目指していきます
平均在籍スタッフ数は10人未満の事業所が多く、事業所によっては管理者やリーダーとの距離が近く直接密に指導を受けられる事が多い為、看護師としての経験があれば1〜3年程度で管理者になれます
ちなみに私自身も、このステップで入社2年程で管理者になりました
ⅱ) 訪問看護管理者として就職し、学びながら成長していく
これまでに看護師としての経験、または、リーダーや管理職としてマネジメントの経験がある場合は、転職時にはじめから「訪問看護師管理者」の条件で探してみるのもおすすめです
訪問看護事業所は病院よりもスタッフの平均年齢が高い傾向があり、退職予定の管理者の後継ポストが空いている場合も多いですよ
私の経験上ですが、看護師として最低3年ほどの臨床経験があった上で、しっかりとした管理者になる為の教育を受けられれば、訪問看護の経験がなくてもなる事が可能です。
ただし、管理者の教育体制については事業所ごとに大きく異なります。まずは説明会などで聞いてみましょう
ⅲ) 訪問看護事業所を立ち上げ、管理者として働く
訪問看護の経験がある方は、自分の事業所を立ち上げても良いでしょう。
軌道に乗るまでは大変ですが、上手くいく様になればやりがいもお給与も、雇用されていた頃よりずっと上を目指せます
管理者の平均年収は500〜600万円ほどと言われていますが、自分で立ち上げれば年収1000万円も可能です。
気をつけたいのは、訪問看護事業所の立ち上げは、自身を含めて最低3名の看護師数が必須のため、売上が立たない最初のうちから家賃やお給与などを払わなければなりません。
この赤字が続けば経営が成り立たなくなる可能性があるのです
自身の資金面だけではなく、スタッフの生活もかかっているので、いち早い黒字化は重大任務です
売上の他にも、サービス、教育、採用における管理など、たくさんの仕事がありますが、どれが欠けていても事業所はうまくいきません。
ですので、自身で立ち上げる場合は、開業前に他の訪問看護事業所などで成功のノウハウをしっかり学んでおき、開業後にロケットスタートが切れる様に準備しておくことがオススメです
3. 訪問看護管理者を目指す上で必要なこと
訪問看護管理者が管理する事項は、サービスの向上、地域との連携、人材確保、シフト管理、職員の定着率の向上、営業、売上管理、教育、チームビルディング、クレーム対応,,,などたくさんあります。(ここでは書ききれませんので追々)
しかし、初めから全部できる人はいませんので、安心して下さい
これらをできる様になるには、一にも二にも経験です
まずは下手でもやってみて、たくさんの失敗から得た成功は、自分の本当の実力として刻まれ一生の糧になります。
そしてその実力をいち早く身につける為に最も必要なのは、
成功例を徹底的に真似をする
ことです。
ここで紹介した、「訪問看護管理者になるまでのステップ」はどのステップを踏んでも問題ありませんが、重要なのは素直にうまくいっている先輩管理者や成功例を真似をして、その上質な経験を自分に落とし込んで下さい。
失敗はとても大切ですが、成功法とは違う方向性に突っ走ってわざわざ失敗を取りに行く必要はないのです
成功例の真似は、最短でキャリアアップや成功する為の近道です
そして、成功例を攻略したら、そこから自分の個性を加えて創意工夫することで、更なる良い方法が見つかりますよ
最後までお読みいただき、ありがとうございました