未だ険しい道程か…
二者が争っていたとして、争っている当事者同士が話し合って争いを収める可能性は恐らく高くはない。争いが続く程に、相手が全く信用に値しないというようなことや、話し合いに代表を送っている人達にその権利や資格が認められないと、殆ど誹謗中傷のような話しにもなるのかもしれない。そういうことなので、争いに関連して好ましくない影響も振り撒かれてしまっていると観た第三者が「話しをしよう!」と間に入るのでもなければ、とりあえず争いを収める話し合いは始まらないであろう。話し合いが始まったとして、争いが少し長く続いて、二者間の対立が深まっているのであれば、円滑に話し合いが進まない場合も在り得るであろう。というような「一般論」は在ると観る。そしてこの「一般論」に当て嵌まりそうな状況が進行しているように観る。察しが好い読者諸賢は既に気付いているであろうが、上述の例の「争う二者」というのはロシアとウクライナとであり、「話しを!」と現れた第三者が米国である。ロシアは「特定軍事行動」と号して「戦争」という用語の使用さえ避けているが、2022年2月の出来事は「大規模な軍事侵攻」という以上でも以下でもない。それを受けてしまったウクライナの側は「防衛戦争」を戦い抜き、何とか勝利を掴まなければならないというように努力を続けている。「善隣友好」という言葉も在るが、それでも残念ながら隣国同士で摩擦が生じる場合や、摩擦となり得る課題を抱えている場合はあるであろう。そうした事柄の解決を図るにしても「軍事侵攻」は「止めておこう」ということにしていた筈である。それをロシアはやってしまった。それを周囲の国々は「非難」した。加えて各国は「止めなければ如何なっても知らん」とロシアに対して「制裁」を発動した。「特定軍事行動」と号して「戦争」ではないという主張は主張として、大量の各種兵器が使用されて人的被害も物的な損害も多々生じているウクライナ、更にそのウクライナによる各国による支援を得ながらの必死の反撃を受け止め、更に様々な資源を戦いに振り向けるロシアの何れもが、「戦争」によって疲弊していると観る。如何いう呼び方であろうと「戦争」が行われるというのは、色々な意味合いでの“エネルギー”の浪費で、社会の様々なバランスが損なわれる。殊にウクライナでは色々なモノが喪われ、社会の仕組みのようなこと迄、更に「安寧に普通の人達が暮らす」という“当たり前”が消し去られるような場所さえ生じる程度に、酷く大きく損なわれてしまっていると観る。「戦争」を始めてしまうのは如何なものかと「非難」をして、「止めなければ」と「制裁」が発動された。そして一方への支援である。そういうようになって時間が経ってみると、「制裁」を「受けた側」がダメージを被るのか、「制裁」を「課した側」がダメージを被るのかよく判らないような気もしてくる。程度の差は色々と在ろうが、「制裁」を「受けた側」にも「課した側」にも各々に不自由が生じているかもしれない。そして「支援」だが、莫大な資金を投じて装備品等を調達して、それを送り込むことが「重荷」のようになっているかもしれない。こういうのも或る種の「疲弊」だ。こういう具合に、何方を向いても「疲弊」という感でもある中で米国は「話しを!」と乗り出したのだと観る。結局、米国も「支援」が何時迄、どの程度続けるのかが確定するのでもない中で「重荷」という想いが強まったのかもしれない。色々な経過が在ったが、とりあえずロシアとウクライナとの間では、相手が全く信用に値しないというような話しや、話し合いに代表を送っている人達にその権利や資格が認められないというような話しが飛び交っていて、円滑に直接対話が出来ない感で、米国が間に入った。米国とウクライナとが協議し、米国とロシアとが協議し、一応の合意に至ったのがこういうことだというような話しになって行く。そういうようなことで出た話しが伝わっているが、「停戦して、仲介者を交えたにせよ、両代表が交渉のテーブルに就いて戦争の収束を目指す」という段階へ円滑に進めるのか否かが未だ見え悪いような感じだと思う。こういう中で色々な話しが飛び交い、益々判り悪い。ウクライナはその国土の広い部分が戦場と化し、余りにも多くを失ったと観る。そうである以上「安全保障」が切実な願いだ。が、「先ずは停戦」という論を容れざるを得ないような様子になった。そして模様を視ているような感だ。対するロシアであるが、「停戦することに賛成」と繰り返しながら、様々な問題の解決が必要であるというような事柄、「制裁」の解除がなされるべきであるというような事柄と、色々と主張しているようだ。目まぐるしいような感で、実務者協議が続いている様子を想像してしまう。黒海の安全航行というようなことで合意というようになれば、ロシアは「制裁」の解除がなされるべきであると主張したという。そういうようになると、欧州諸国の一部で「制裁解除?あの海域の何の如何いう制裁なのか?そんなモノが在ったか?」という声も上がっている。思いが巡るのは、「守らなければならないルールブック」というようなモノ等は何処にも無い「制裁」という事柄である。「制裁」を「受けた側」、「制裁」を「課した側」のどちらも「何処から何処迄の何が制裁で、何が制裁ではないのか」が、実は「誰も判らない」のではないのだろうか。黒海の安全航行というようなことを巡って聞こえてきた話しに触れ、そういうようなことを思わないでもなかった。今や「何でもかんでも制裁」という様子なのかもしれない。これに対して「あらゆる手段」で何とかしようという感じのロシアの様子なのであろう。ロシアの様子、経済活動の様子が伺える街の感じ等は、ウクライナとの戦争の前と然程変わったようにも見えない。異様な迄の軍事費等の支出が在り、人々の賃金の上昇とインフレで、一見する分には「景気が好い?」とさえ見えるかもしれない。それでも「爪先立ち」での不安定な状態であろう。そして「制裁」で何でもかんでも「やり悪い」という状況は覆い難いかもしれない。そこで「停戦へ向けての動きに積極的に協力可能となるのは制裁が解除されてからだ」という主張も在るのであろう。結局、ロシアの側ではウクライナに於ける「2014年に西側諸国が背後に在るクーデター」(所謂<マイダン革命>)を経てウクライナ側の軍事行動が在って、それが続いて現在の事態に立ち至ったという認識を持ち続けている。現在でも大統領の発言にそういう内容が在って、ロシア国内外に報じられてもいる。ウクライナ側は「そういうのではない!」とするであろう。何れにしても既に10年間近くも平行線な話しで、甚大な被害が生まれるような軍事衝突なのだ。収束への話し合いは、未だ長く険しい道程だと観なければならないような気はする。Путин заявил, что Россия не была инициатором начала боевых действий на Украине未だ長い道程かもしれないが、各々の「疲弊」というような感じが拡がっている中、戦争の収束を目指す動きは基本的に何処でも歓迎されているのだと観るが、実はロシアが最も歓迎しているのかもしれない。「話すに足る相手」がウクライナとの争いの収束を目指す舞台へ少し前のめりに見えるような様子で現れたのだから。ロシアは、少なくとも大統領は「世界第4位の経済大国」と自認して、そういうように発言している。中国、米国、インド、そしてロシアということであるそうだ。これはロシアの大統領の言で、何かの統計資料的なモノを引張って論じているというのでもない。ロシア以外の3大国で、中国やインドはロシアとウクライナとの争いを寧ろ静観し続けていた。米国はウクライナ側に立っていたが、最近になって「話しを!」である。ロシアは争いを収束させることを希望してはいるのだから、「話しを!」というのを跳ね除ける筈が無い。大統領が言う4大国の第2位と第4位なのだから、米国が登場してロシアと話すということなら「とりあえず対等な話し合い」ということなのかもしれない。Путин заявил, что Россия является четвертой страной в мире по объему экономики今後の話しで「制裁」の「解除」というようなことになって行く可能性は排除し悪い。で、如何なるのか?「何でもかんでも制裁」という様子に対して「あらゆる手段」で何とかしようという感じのロシアは、「あらゆる手段」の幅が圧倒的に拡がるということになるであろう。が、「制裁」を課した側の国々の種々の企業のロシアが関連する活動が、「制裁」の以前には簡単には戻って行かないのかもしれない。それは「制裁そのもの」と「制裁の関連」とが入雑じった感になっているからだ。「制裁の関連」というのは、「企業イメージ」というような問題も在ったのであろうが、ロシアでの事業活動に見切りを付けるようなことになった企業が続出したという経過である。店舗網のフランチャイズ権の契約解消や、工場等の閉鎖という事態になっていた。こういうモノに関しては、権利や設備や、色々なモノを売却するというような内容が多く在る。そういう場面での契約に「事情が変わった場合の買戻し」という内容が入っている場合も在ろう。が、それでも時間が経ち過ぎてしまって、「買戻し」の対象となる色々なモノの価値が変り過ぎて、そのまま契約を履行し悪いということになる可能性が高い。そうなった場合、新たに事業の枠組みを構築し直さなければならないであろう。或いは、「制裁の関連」で捨てた時点以降で本国の事業の様子も変わり、「そのまま諦める」も在るのかもしれない。更に、「買戻し」をせずに、全く新規に事業を起こそうという例が登場しないとも限らない。「制裁」の「解除」というようなことになって行くと、日本国内でも「ロシアとの様々な分野での交流の行方」というようなことへの注目が高まると見受けられる。そういうことを考える場合、上述の「制裁の関連」で動きが在ってロシアを離れた企業が、ロシアでの事業に改めて携わろうとでもする場合に起こり得る事柄というようなことを考えるべきだと思う。要は、従前からの御縁を辿るにしても、実質的に「新規に先方との良好な関係を構築することを目指す」という程度に考えて臨む方が無難と見受けられる。2022年の「制裁」というような事柄からだけでも今年で丸3年だが、場合によっては2020年頃からの感染症の問題でk集うが鈍化していた場合も在ろうから、そうなると丸5年以上も滞ったという形になる。先様であれ、自分達の側であれ、丸5年となれば色々な様子が変わってしまっている筈だ。「丸5年となれば色々な様子が変わってしまっている筈」とした。少なくとも2020年頃に、ロシアの大統領が「ロシアは世界第4位の経済大国」と自認して発言してはいなかったと思う。中国、米国、インド、そしてロシアと4大国を挙げ、更に日本やドイツ等はそれより下位であるともしているようだ。「ロシアは世界第4位の経済大国」というのが、大統領の極個人的な感想に留まるとも思い難い。「世界の中で然るべき敬意を払われて当然のロシア」という思いなのかもしれない。如何いうように話しが転がろうが、結局は余りにも多くが損なわれたウクライナを何とかしなければならないであろうし、ウクライナの人々の安寧を取り戻さなければならないと思う。そこだけが気になる。そして気になるこの件に関しては情報には触れ続けたい。そして時には個人的な感想もこうして綴るようになると思う。