シャネルの招待で、4年ぶりに来日したパリ・オペラ座バレエの2/8 18:30公演(白鳥の湖)を観賞に、ハイアー送迎付きで東京文化会館(上野)に行ってきた。

 

 パリじゃなくて上野(笑)。

 

 ハイアーと言うと響きは派手だが、GOタクシーのプレミアムと同じ車(アルファード?)。

 

 

 

 以前同じ会場でバレエを観賞した際、屋根付き車寄せは無かった記憶で、シャネルなら気を利かせて車を入口のすぐ目の前に付けてくれるだろう前提で、コートもマフラーも手袋もナシで行ったが、帰りのハイアー待ちシャネル列では10分ほど待ち、幸い天候は良かったので何とかなったものの、冷え込んだ日だと辛い。雨・雪降ろうものなら。

 

 ちゃんとした車寄せがないのが残念。これはシャネルではなく会場側の問題。

 

 シャネル列を横目に迎車タクシーでさっさと帰って行く人から見れば「服装だけきらびやかな人達」くらいにしか見えなかったんじゃないだろうか。

 

 ※シャネルのハイヤー自体は途切れることなく到着していて、直列(順番)に乗車していくと乗車にかかる時間×組数分だけ時間を要するのは先に決定しているため、どこまでいっても建物側の構造上の限界。

 

 招待してもらっておいて文句を言うなというところだが、日本は建物の設計・構造からVIPサービスに向いてなくて、着飾れば着飾るほど場違いに見えるようにできている国(笑)。

 

 そうやって常に大衆側に収束してきた日本だが、この数年の格差の開きから少しずつ変わっていくだろうか。

 

 

 

 会場到着時は待たされることなく、一般客に先行してシャネルレセプションから会場ロビーへ。招待状を見せると白黒のリボンを受け取り、手首に巻いてシャネル客の目印に。

 

 シャネルに加えてテタンジェがスポンサーであるにも関わらず、シャネル顧客へのシャンパンはルイロデレールが振る舞われていた(以前もらったロゼエルメスのノエルと同じ)。

 

 シャネル客が一通り入場し写真撮影やシャンパンを楽しんだ後、入口の「シャネル」サインから何から全部入れ替えて、一般客にはテタンジェ+テタンジェロゴ入りグラスに。

 

 このくらいエルメスとシャネルはルイロデレールという会を重ねると、そろそろルイロデレールがシャネルとエルメスの味だと感じるようになる。香りで言うプルースト効果のようなもの。

 

 

 

 シャネル客は全身シャネルという人が多く、シャネラー祭の様相。とても華やかで、若い人からオッサン・オバサン(笑)まで幅広い。言うまでもなくメンズのナイシャネルの世界でヤローは脇役(笑)。

 

 男女ともに年齢の割に体型が崩れていない人が多いのはさすが。

 

 シャネル客は300人(150組)くらいだろうか。皆シャネル顧客の中から選ばれて来ただけあって、全体的にマナーが良かった。

 

 資格試験の会場と同じで、レベルが上がるほど鼻を鳴らす人や落ち着きがなく騒々しい人が減る。公演中も周囲は非常に静かで良かった。

 

 席もステージから近すぎず遠すぎ観やすい位置。スポンサー枠という感じ。ただ座席が狭い。小柄な日本人女性だけなら何とかなっても、大柄な男性や欧米人には無理という狭さ。これも日本の古い建物の天井の低さと同じく、来日客を迎え入れるには厳しい仕様。

 

 結局のところ、気になったのは全て会場側の問題。

 

 

 シャネル席に1人だけ(笑)ちょっとだけ目を引く美しい女性がいた。30才くらいだろうか。ハーフかなという顔立ちで単身。皆が全身シャネルなだけに最後は“素材”勝負になるのは必然。そこも観察対象。

 

 SNSお洒落自慢もレベルが拮抗してくると、最後は美貌とスタイルを活かして差別化をはかるという流れは目に見えているので、オーバーサイズブームは終了し、再び身体のラインくっきりピチピチ系ファッションに戻るかもしれない。

 

 私はどこもシャネルではなく、ポケットの中のカードケースだけ(笑)。会場で一度も出すこともないまま(笑)。

 

 

 

 お土産はペニンシュラの全く美味しくない(笑)ピザっぽいパンなど。そのまま持ち帰ったがもしかして休憩時間に食べる用だったか。繊細なバレエに全く合わない雑な味で、いっそアランデュカスにしてくれた方が良い。

 

 不思議なことに「シャネルからバレエの招待が」という投稿はブログ・SNS含め1件も見つけられなかった。

 

 ※終わった直後に見たインスタグラムで1件。

 

 エルメスだとショーやノエルに誘われたというだけで早くから「何着ていこう」的な投稿が検索に引っかかるが、シャネルの上顧客はもう慣れているのか、ゼロ。

 

 ただ単にエルメス顧客はイチイチ皆に報告したい(自慢)願望があるだけかもという点は置いといて、エルメス顧客は何となく買い物額と社会的地位(≒経験値)とのズレがある印象が参戦前・初期の頃からある。

 

 今回のシャネルの会は関東からのみっぽく(訛った会話が聞こえてこなかった)、そこも影響しているだろうか。シャンパンを持つ手つきも多くの人が場慣れした感があり安定。

 

 その辺の観察もオモシロイ。

 

 

 1つシャネルに注文を付けるとすれば、招待状をもう一回り小さくした方がイイんじゃないかという点。

 

 21cm * 15cmの横長で、バッグの小型化を考えると横は20cm未満にし、縦の比率をもっと下げて16:9ワイドにした方が美しい。スマートフォンの画面と形状を合わせておけば間違いない。

 

 バレエそのものはどうだったかというと、手先のしなやかさなどは素晴らしいものの技術色が強くエモーショナル派の私としては心に響かなかった。チャイコフスキーの旋律が持つ凍てつくパッション(青白い炎的な)を表現するにはロシア人バレリーナの方がいいのかなと思う。

 

 民族目線は多様性の時代に相応しくないことはわかっていながらも、私が惚れ込むバレリーナではなかった。

 

 あと、オーケストラがイマイチだった気がする。情緒が感じられず、これは奏者側というよりは指揮者の意向か。

 

 コール・ドが良かった。

 

 

 というわけで、お洒落をするならかつパーティーシーンにはシャネルだなと改めて感じた。エルメスにもパーティーバッグ+靴を出してもらいたい。