通称エルパト(エルメスパトロール)とは、頻繁にエルメスに通って「バーキンありますか」等と尋ねること。いわゆるロレックスマラソンと同じ。

 130万円もするバッグが何度も通わないと買えないのかと言えば非常にバカバカしく感じるが、昔から人気のタワーマンションは例えn億円台であっても抽選に当たらないと買えないのも同じ。お金を持ってれば全て解決とはいかない。

 で、ロレックスの購入制限期間が明けるまでヒマなので、そろそろエルメス(バーキン)にも参戦しようかなと企んでいる今日この頃。約10ヶ月ほど、十分情報収集した。

 何せ欲しい物がないので、ロレックスと違って購入実績(*1)を重視するエルメスにおいて、その履歴を積み上げるのが難しい。

 (*1)あるデパートの外商担当者によると、最近はいわゆる「バーキンのリクエスト」まで推定で年500万円くらいだろうと聞いた。コロナ禍で入荷数が激減すると同時に競争が激化したことでそうなったらしく、以前はもっと基準値が低かったそう。この500万円の中にバッグ類は含まない(カウントされない)。

 銀座メゾンならスーパーフリー(購入実績ゼロでも買える)に遭遇することもそれなりの頻度であるようだし、店舗ごとに顧客のキャンセル分や顧客フリー(購入実績のある顧客の中から選ぶ)の分も存在するようだが、せっかくなら“リクエスト”まで到達したい。要は偶然出てきたものには再現性がなくただの運でしかないため、エルメス商法を学び取れない。

 問題はエルメス製品でバッグ類を除いて500万円分も欲しい品がないこと。デザイン的に我慢できる(笑)範囲で、いずれは買い換えるだろう品物(ベルト、マフラー、靴、手袋など)をエルメスに寄せてもせいぜい60-70万円分くらい。色違いを沢山買うとかしない限り(笑)。

 メンズは公務員向けか(笑)というほど地味なものばかりで、ファッションセンスや独自のスタイルはなく「どう、これエルメスなんだけど」で満足できるような、お洒落には無頓着だがお金は持ってるという男性には良いが、洒落者にとっては一次選択肢に入らないブランド。ベルルッティのネクタイを見た後にエルメスのネクタイを選ぶ人は限りなくゼロに近いはず(笑)。

 ※また事情に詳しい女性から見たら、男性がエルメスの財布1つ持ってるだけでも、エルメス界あるあるの奥さんのバーキン欲しさに(購入額を積み上げるために)「買い物は全部エルメスで!」と言われて仕方なしに付き合ってる感が漂う可能性大なので、ソコを気にしないか気付かない男性の方が適している(笑)。

 他のブランドなら年間500万円分の欲しい物を見つけるのは簡単なんだが、ダサめ(元々想定年齢が高いから「落ち着いている」と言った方が良いか)のエルメスにおいてはそうはいかない。バーキンまでの我慢だと割り切るしかないが、それでも男性の場合は結構厳しい。

 一方女性達はどうかというと、大した所得もなく、買って売ってを繰り返し通称“担当サマ”にホストクラブや宗教のように貢ぎ続けている印象が強く、その執着心と競争するのはなかなか手強い(笑)。執着心とは大抵見栄ひいてはコンプレックスが根底にあり、それを解消しようとするエネルギーは強大なため、ソコと競い合うにはよほどの強い意志と計画を立てないと続かない。

 昭和の時代には「分相応・不相応」という言葉が当たり前に用いられていたので、中年以降の層はこの「買って売って」もそこはかとなくバカバカしく虚しい気さえするんじゃないかと思うが、500万円分買って即座にメルカリ等で売った場合、定価の8割くらいが回収できれば400万円は取り戻せることから、実質的な出費は100万円。そこで年2枠のバーキンがたまたま好きではない色やサイズが回ってきた際に転売すれば100万円以上の利益が得られるので、すぐに元が取れるという構造下にある。だから想定される年収に満たなくても、執念(笑)で辿り着ける人達がいる。

 宝くじと異なり、コツコツと気長にやっていれば確実に利益が出ることから、チマチマと金利で稼ぐ投資よりも率が高いと言えば高く、一概に「バカバカしい」と切り捨てられるものでもない。むしろカツカツの人の方が本気を出した時に試行錯誤から秘策を編み出したりする。

 100万円超のバッグを買う人達がそんなみみっちいことをするのかと思う人もいるだろう。街ではそのくらいの身なりの人達(私の目では推定世帯年収1千万円ちょっとの層)がバーキンを持っていることが多く、圧倒的大多数を占めていると思われる。実際に中古屋には新品同然のよりどりみどりのバーキンやウマ(笑)が揃っているし、メルカリでは都内高島屋のレシート付きで購入から数時間後に未使用品が出品されているのを見たことがある。

 ※海外では日本のブランドショップ(中古屋)に行ってバーキンを買おうという人達が多いらしい。新品に近い物が選べるほど揃っているから。それだけ日本は転売・貢ぎ組が多い市場だということ。

 本来バーキンを当たり前に(カツカツではなく)所有できるだろう推定年収を考察すると、エルメスだけでバッグ類を除き年間500万円を使おうとするならば、1/3を割り当てたとしても手取り1,500万円は必要なので、税引き前年収は2,400万円以上ということになる。

 日本の所得分布から見れば、世帯所得2,000万円以上が1.2%(平成21年)なので100世帯に1世帯くらいはバーキンを買っている(買える)と言えば確かにおかしな数字ではない。

 ※と言ってもそのくらいの世帯年収では家を現金で買えるほどではないので、住宅ローンを抱えていることが多く、その場合エルメスに年間500万円使えない。車を持っていたり子供がいたら尚更。

 そこに更にバーキン2個分の出費となるともっと。

 しかし、見た目的にはその半分以下である世帯年収1千万円ちょっとかなという印象の30才前後のバーキン持ちカップルを非常にしばしば見かけるので、東京23区の物価から見れば、売らない限り買い続けることはできない層がバーキンを購入している。と言える。

 中には貯金してローンで買ってという人もいるかもしれない。

 自営業で全部または一部を経費にしているケースも少なくない印象がある。何代としてかワカラナイが(衣装代?)、この数年やたらと「領収書は」と聞いてくるハイブランドが増えているので、事業経費にしている人が多い様子。

 という状況にある。

 で、力任せに一店舗かつ特定の担当者で500万円分買うというのが現行の正攻法っぽいが、いくつかの品を尋ねてみたところ、どうにもこうにも物がない(笑)。私が尋ねた品は予約は受けてくれるとのことだが、いつ入ってくるかワカラナイらしく、短期集中でというのは難しそうな気配。

 パンデミックで輸送が安定しないらしい。

 それでしばらく様子を見ていたんだが、今度はロシアによる戦争で輸送費が高騰し、再び輸送が不安定化しているとあるエルメススタッフは鬱気味の表情で語っていた。

 売る物がないと仕事にならないし、買える物がないと客側も“実績”を積み上げられない。

 ということから、短期集中でとは行かず、ある程度腰を据えて取り組む必要がある。

 たかがバッグのためにアホらしいと言えば非常にアホらしい(笑)。

 しかし世間のエルメスやロレックスに対する熱狂具合は前代未聞レベルで、そのアホらしい先の先頭を走っている人達が世の中ではドヤ顔(笑)しているということでもあり、見方を変えると努力(積み重ね)の賜でもあり、芸能人の(目に見えないところでの)体型維持とかと似たレベルになりつつある。

 私としては、そこまでのブランディングをなぜ日本企業ができないのかというのが昔からの疑問であり(クレジットカード業界で言えばセンチュリオン然り)、その辺を学び取りたい。

 何事も一度は手にしてみないと見えない世界がそこにあることは確かなので、社会勉強の一環としてやってみようと思っている。

 問題はタイミング。モノがないとダラダラと時間が過ぎてしまうので、出揃った時にFIRE!🔥的な(笑)。


via Charlie's Intelligence
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