エルメスのメンズ製品のショーが必要なのか(笑)。特に日本で。

 婦人物はいずれ頭打ちになるだろうから、売上を伸ばそうと思ったら「あとはメンズ」という流れはわかるが、まず最初にやるべきは国内の買い付けのセンスを上げ、幅を拡げることじゃないか。

 イチバン無難で地味な「公務員の休日」みたいなものを選んでいる印象しかなく、選択肢があまりにも少ない。

 カタログを見ると「ほー靴だけでもこんなに沢山種類があるのか」と驚くも、アレもないコレもない(その店舗に限らず国内で買い付けがない)なので、ショーより先にソコを頑張ってもらいたい。

 と真っ向からメンズ買い付け担当者に言ったら恐らく「日本の顧客層に最適化している」と返ってきそうな気がするが(どのブランドも同じ)、エルメスの場合は奥さんや彼女のバーキンのためにつべこべ言わず(笑)目の前にあるものをせっせと買う(しかない)ので、男性にも人気があると思い込んでいる可能性が高い。

 特に転売業者はセンスなんて問わないだろうからますます。

 エルメスの購入履歴は海外と日本はつながっていないらしく、それもあって(かつ円安とパンデミックが手伝って)海外旅行組が国内で仕方なしに買うから余計に気付きにくい。数字上は「売れてる」となるから。もし購入履歴が世界合算でそれを元に世界中どこでもバッグが出てくるんだったらお金持ちは皆海外で買うようになり、国内セレクトのまずさに気付くのも早いだろう。

 という具合に客観的な軌道修正機能が働いていないので、ショーをやってもアレもないコレもないで、今後の円高に乗って再び売上は海外に流れるんじゃないかと私は感じる。

 昔からどこのブランドも、海外から来た人達が「日本はいちばんイイ商品がナイね」と言う。国内買い付け担当者は「日本人にはこういう無難なのがちょうどいい」と分析したつもりだろうが、それによってインターネットで言うところのフィルターバブルが生じ、日本人顧客はそこにある無難なセレクトの中から選ぶため、その結果もともとの民族・文化的傾向と相まって個性のない“制服”化する。

 で、ツマラナイと感じた人は離れるので、その買い付け担当者のセンスで十分な客が入れ替わるだけ。

 個人的に本来は好きなバーバリーも、国内買い付けがショボく魅力的な品は決まって「オンラインで」(イギリスから届く)とすすめられる。

 ヴィトンは他ブランドよりもしっかり揃っている感があるがそもそも好きなものが少ない。

 エルメスは欲しい物がない中で頑張って買い物している(笑)ので、選択肢を拡げてもらわないと、春夏は全く買う物がなく、次の秋冬もそろそろ似たようなモノが溢れ困る。


via Charlie's Intelligence
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