『王の預言書』映画.com 



憲宗王(ホンジョン)は第24代目の朝鮮王 イ・ファン。
生没年1827年9月8日〜1849年7月25日 
父: 孝明世子 母:神貞王后(趙氏)

実父は孝明世子で先代王はお祖父さん純祖。お祖父さんが亡くなり、8歳で王になります。
大妃(お祖母さん)が摂政として玉座の後ろで控えていて、王さまの発言をすべてチェックしています。王さまは大妃に逆らえず言いなり状態。
亡き父(孝明世子)の遺志を受け継ぎ、民のための政治をしたいと思っているのに…心のなかで「オバハン、鬱陶しいや…オトン、俺どーしたらええねん。助けて…」と思い悩んでいる、若い王さま。

彼のお父さん孝明世子さんは即位できず、24歳で亡くなっているそうです。
で、この王さまの家族関係をネットで調べていたらお父さんの「孝明世子(ヒョミョンセジャ효명세자)は、生没1809年9月18日〜1830年6月25日で諱は旲(ヨン、영)。
なんと、ドラマ「雲が描いた月明かり」の主人公イ・ヨン(이영)で、演じてたのはパク・ボゴム。チョン・ヘインのお父さんがパク・ボゴムか…。凄いな韓流時代劇。


わたしはまだこのドラマ観ていないのですが、非常に勉強熱心で行動力もあり後継者として期待の星。民衆からも大人気の世子やそうです。
父王の妻の実家の勢力を牽制するために、反対勢力から世子のお嫁さんをもらい、若く結婚していますが、男の子を授かったのもつかの間、王になることなく早逝してしまいます。そして、純祖王が亡くなって、孝明世子の男子が8歳で即位しますが、純祖王の妻が摂政として実権を握ることになってしまうわけですね。

映画「王の預言書」は原題が『興夫(흥부)』。
純祖王の死後、政治が乱れ、民衆の不満がどんどん溜まってきます。貧富の差も激しく、農民は米を作っても自分で食べるものはありません。
朝廷は勢力争いでグチャグチャになっています。
民衆は、孝明世子の息子である若き王に思いを伝え、政治を正常化してほしいと願います。そんな中で『ブンブ伝』というお伽噺小説が流行り、街の広場では、芝居集団が面白おかしく演じます。
実は、この集団は国を正したいと運動をする義賊で、芝居をしながら政治のことを民衆に知らせ、仲間を集める役割を果たしています。
朝廷で若き王に『フンブ伝』を献上する機会を得た作家フンブは、王さまに、孝明世子の遺言を届けるという脚本を書き上演します。

王さまの前に、亡き父が立ち語り始めます。
「お父さん!」と立ち上がり歩み寄る王さま。

王さまが絶望の中から父の言葉に吸い込まれるように立ち上がり歩み寄るシーンは泣きます。
王宮の周りには民衆が取囲み時代が動くのを見守ります。

『王の預言書』はマダン劇の部分や最後の朝廷の場面など、エンターテイメント作品として見どころがあって、作り込みがマトリューシカのようになっていて、あっという間に観てしまう面白い映画です。
ドラマのように一気観廃人になることもないので、ぜひレンタルして観てほしいです。セルDVDもオススメです。手元に置いておきたい作品ですよ。

王さま役の、チョン・ヘインは「切ない系」俳優トップクラス。涙流さなくてもちょっと下がった眉毛と微笑みで悲しみが滲み出ます。なぜか理不尽に不幸に合わされる役が多くて、チョン・ヘインが主演するドラマはちょっと覚悟して見ないといけないと思っています。