「同志少女よ、 敵を撃て」  2023/7/7 | ミリタリーイベント

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「同志少女よ、 敵を撃て」  2023/7/7

 

「同志少女よ! 敵を撃て」(逢坂冬馬著)を読んだ。
モスクワ近郊の村で育った一人の少女が、独ソ戦でドイツ兵に殺された母親や村人の復讐のため、赤軍狙撃兵(スナイパー)になり目的を果たすというフィックションのストーリーだが、スターリングラード攻防戦を中心とした主人公と同じ小隊の女性狙撃手の心の葛藤を中心とした展開は時代考証、戦史考証も精緻で白眉の出来。
500ページ近い大作で読破に数日掛かったが、東ヨーロッパ、ロシアの複雑な歴史・文化にも触れることが出来、大変満足した。

そこで、早速2001年公開のアメリカ、ドイツ、イギリス、アイルランド合作戦争映画「スターリングラード」も観た。
これまた実在の赤軍狙撃手で英雄となった実在の人物ヴァシリ・ザイツェフを主人公に、スターリングラード攻防戦を描いたフィクションだが、両者に違和感も無く、なるほどという納得感が有った。

なおこの「同志少女よ! 敵を撃て」の直前に読んだ本は、「愛と憎しみの豚」(中村 安希著)で偶然だが東ヨーロッパ、ロシアではその豚がどう思われ、どう扱われているのか。
バッグパッカーである著者の豚を通して見える東ヨーロッパの文化、宗教、政治、歴史が紹介されている本だった。

こういった本を読むと、現在のウクライナ戦争の背景、複雑性、難しさをあらためて感じることとなった。