この佇まい、いかがでしょう。F1キャリアが、まだ30レースにも満たないドライバーに見えますか? プロスポーツの世界における「スター性」はとても重要な要素であり、しかもそれは、努力や練習では絶対に得られない、持って生まれた才覚です。実名は避けるけど、優勝経験のある現役F1ドライバーでも、スターオーラ皆無の人がいますからね。

わたしの個人見解だけど、強く速くて人気があるのがスター性か…というのは、ちょっと違うと思うんですよ。それを体現しているのが、今回の写真。本物のスター性とは、そこに存在するだけで周りの人々を惹きつける独特の華やぎです。シャルル・ルクレールが半端ないレベルの華やぎを放つのは、生まれ育った場所にも関連するのでしょうか。ただし、彼は決してセレブではなく、先祖代々コートダジュールの地で暮らす一族のひとりです。

この写真を見たとき、わたしの脳裏にはふと、アイルトン・セナの面影が浮かびました。何かこう…発散する雰囲気が似ているなぁ、と感じたのですよ。

わたし自身は現役時代のセナを知らず、残された写真や映像を見るだけ。それでも、類い稀な速さや勝利への異様な執念、そして悲惨だった地元レースでの狂気的な走りに、わたしはセナを重ねてしまうのですよ。

才能とスター性、ふたつの要素を兼ね備えるレーシングドライバーが、F1界にとってどれほど貴重か。この風景を見るたびに、わたしはそれを実感するでしょう。