F1と自動車レースを愛する人々に伝えたいのです。この風景を記憶に刻み、忘れないでほしいと。

2019年6月の第7戦カナダGPで発生した事件は、以後のレースに物凄く影響するはずだとわたしは考えます。もっと言えば、ここで示したスチュワードの見解が、FIAの絶対的なエビデンスとして以後のレースに採用されなければいけません。それが「安全ではないから違反」、「危険だから違反」です。

あるメディアはこの風景に、こんな言葉を添えていました。

「F1がクルマではなく、人間対人間の戦いなのだと改めて実感した」。まさに、その通り! ここからわたしたちが感じ取るのは、勝利を熱望したひとりのレーシングドライバーの「魂の叫び」です。その想いの強さ・深さにわたしは全身が震えたけど、世の中には様々な考え方の人がいますからね。

これを「子供じみた行為」とか、「無礼な行為」、あげくは「7レースか8レース出場禁止だ」なんてコメントがネットに掲載されました。ひとつの物事の捉え方で、人間の心のヒダに隠れるモノが見えたりします。わたし的にはとても興味深かったですよ。

多くの意味で深く思考したカナダGPの事件は、絶対に時間の流れの中に埋もれさせたくありません。どうか皆さん、この風景を忘れないでください。