第3話
草原にあるテントから、タカシが出て来た。向こうから誰かが来た。
「タカシ、壁を見に行く?」
「壁への道はわかった?」
「ちょっと詳しい人がいて、教えてくれた。ちょっと壁に近づけた。」
「誰?」
「ぼくと同じ名前。その人もタクヤって言ってた。その人がいる所へなら、簡単に行ける。」
青いユニフォームを着た数人の人が走っている。壁の方向へ向かっている。タカシたちがいる所から離れて行った。タカシたちから遠ざかって行く。タカシは言った。
「あの人たち、壁の方へ行ったけど、壁の謎を知ってるんかな?」
「ユニフォーム来てたし、ただ走ってるだけじゃない?」
「とりあえず、向こうへ行ってみる?」
「ちょっと詳しい人がいたんやから、そっち行く方が確実に情報が得られると思う。」
タカシとタクヤは走った。
タカシたちから見て壁の方、しかし、壁までも行かない所に、コウスケがいる。壁に少し詳しい方のタクヤもいる。その近くに、青いユニフォームを着た数人の人たちが走って来た。タクヤはコウスケに言った。
「金の壁は、世間にはあんまり認知されてないみたい。」
「高くて長いから、多くの人に見えるはずなのに。」
「壁から遠くに住んでる人だったら、そもそも壁が見えないって事もあるんじゃない?」
「そうか、そもそも壁を見た事がない人もいるのか。」
「天に住んでるコウスケだったら、地上に住んでるぼくらよりも、壁の事にもっと詳しいんじゃない?」
「別に、この壁は、秘密の壁って事もないよ。」
しばらくして、青いユニフォームを着て走っていた人たちは、私服に着替えた状態で、コウスケたちの方へ歩いて来た。コウスケは言った。
「あの人たち、さっきも見なかった。」
「よくこの辺りで走ってる。」
さっきまで走っていた人たちは、バレーボールのボールを使ってキャッチボールをしている。草原の所でキャッチボールをしている。タクヤはコウスケに言った。
「天での生活って、どんな生活?」
「多分だけど、生活のスタイル自体は、地上での生活と、想像してるほども極端に変わらんよ。地上で生活してた時に見た事がある生活と、今の生活、極端には変わらんし。もちろん、変化と聞いてどうゆうのを想像するかにもよると思うけど。」
ボールが飛んできた。コウスケはボールを拾った。タクヤは言った。
「カナ、ボール。」
コウスケはボールを持って歩く。キャッチボールをしていた人のうち、近くにいた人が、歩いて来た。コウスケはボールを渡した。
コウスケたちの近くに、壁の調査をしているタカシとタクヤが来た。タクヤはタクヤに言った。
「壁へ行ける道って、どっち?」
タクヤはタクヤに答えた。
「今カナたちがバレーボールか何かをやってるトコの向こうへ行ったら、道がつながってる。ここからだと、そこを通るんが近いと思う。」
タカシと、壁の調査をしている方のタクヤは、教えられた道の方へ向かって歩く。壁に少し詳しい方のタクヤの所へマユカが来た。
「何買って来たん?」
マユカは袋を開いた。壁の写真が出てきた。比較的近くで撮影したような写真である。誰かが来た。
「お姉さん、壁のすぐ近くへ行ったん?」
マユカは答えた。
「これは買ってきたもの。」
「私マユカ。お姉さん、壁の向こうへの行き方知らない?」
「あなたもマユカってゆうの?私とおんなじ名前。私もマユカ。壁には門がある。門はいつでも開いてる。」
壁の調査をしているタカシとタクヤは、壁に近づいた。ここからは壁の右の方が見える。
「壁には果てがあったのか。」
「確かに、壁の右の方には、そこから先に壁がない。」
「右へ行ったら、壁の向こうへ回れるんかな。」
「そんな気がする。」
タカシとタクヤは壁の方へ歩く。
「道は左へ続いてるのか。」
「壁にたどり着く頃には、壁の果てから遠ざかってそう。」
壁に少し詳しい方のタクヤとマユカがいる所。
「お姉さん、その写真、どこで買ったの?」
マユカはマユカに答えた。
「それほど遠くない。一緒に買いに行く?」
マユカはタクヤに袋を渡した。
マユカとマユカは店に来た。
「ここって壁に近い?」
「確かにさっきよりは壁に近づいた。」
「このお店の人、壁へ行った事あるんかな。」
「売ってるだけで、撮影したん別の人やと思うから、ここには壁へ行った人いないかもわからん。」
店には壁の写真が並んでいる。
「これ門?」
「門をすぐ近くで撮影したみたい。」
マユカは壁の写真を買った。
「ここから見えてる何かが写ってる、壁の写真があったら、壁へ行くにはどうすればいいかのヒントになるのに。」
「あくまでも記念の品物であって、壁へ行くヒントのために売ってるんと違うんで。」
マユカとマユカは店を出た。
「写真とおんなじ風景、ないかな。」
2人は店の外から見える風景をながめている。
「あとは1人でなんとかできると思う。」
マユカのうち、壁に少し詳しい方は、帰った。もう1人のマユカは残っている。写真を見ながら、少し歩いた。
「店に戻れば、別の写真から新しいヒントを探せるし。」