かなり前に読んだ本なのですが、この本、とってもいいなあと思って、
たまに思い出しては、少しずつ読んでいます。

藤沢 周平
蝉しぐれ

専門書を読んでばかりの私が、なぜこういう渋い本を読むことになったか

といいますと、つい先日終結した埼玉県本庄簡裁での事件に出頭する

ために新幹線に乗ったことがきっかけです。


いつもなら、新幹線で出張があるときは、お弁当を食べているか、訴訟記録を読んでいるか、あとは疲れて寝てるかくらいなのですが、どういうわけか、この日は新幹線の座席前ポケットに入っていた小冊子を手に取りました。


その小冊子、映画化された「蝉しぐれ」の宣伝だったと思うのですが、実によく作品のアウトラインを伝えていました。


好き合った男女がお互いの気持ちを伝えられず、男は無実の罪により父を失い、謀反人の家の子として苦労の日々を送る。

他方、女の方は、殿様の側室になり子をもうける。

何年も月日が流れて、側室の子は命を狙われ、その子を守るために男女が再会し、お互いの気持ちを初めて伝えあう。


私の文章力では、とても内容を伝え切れませんが、この新幹線の小冊子が実によくできていて、本庄早稲田駅に着くまでに、思わず泣いてしまいました(/TДT)/。



それにしても、新幹線の中で大の大人が泣いているとは、

恥ずかしい・・・・。



新幹線の中で涙を流してから、駅に降り、法廷をこなしてから帰りの新幹線でまた涙。

これは、しっかり原書を読むしかないと、さっそく事務所帰りに「蝉しぐれ」を買いに行って、その日からしばらくまた涙でした。


自分の父親をここまで尊敬できるだろうかとか、一人の女性をここまで好きになれるだろうかとか、実にいろんなことを考えさせられます。

それに、こういった人間くさい情景を描きつつ、随所に織り込まれている自然描写が秀逸で、実に美しい自然の中で話が展開します。


結局、当然のように映画も見に行きました・・・・一人で。

そして、もちろん泣いたわけです。


これを書いていたら、また読みたくなりましたが、しばらくは本業が忙しいので、もう少し我慢して、明日は証人尋問の準備に出勤の予定。

休日出勤のときくらい、雨が上がって、快適なチャリ通のご褒美を神様がくれることに期待したいと思います。