最寄駅 栄駅(名古屋)
カリスマ評価★★★★★
名古屋・栄の喧騒を少し離れた場所に、
ひっそりと佇む一軒——「裏篠田」。
カウンター越しに広がるのは、
焼肉という枠を超えた、ひとつの“コース料理”の世界。
目の前で繰り広げられるのは、肉を主役にした緻密なストーリーだ。
黒タン刺しは、炊いた大蒜とともに。ねっとりとした食感の奥に、じんわりと広がる旨みと香りが重なる。
まず印象的なのが、黒タンの美しさ。
未真空脱水で仕立てられた薄造りは、まるで花が咲いたかのように皿の上に広がる。
一枚一枚に宿る艶と繊維のきめ細かさ。
ここまで美しいタンは、なかなか出会えない。
和牛ハンバーグの赤ワイン煮込み。
白口浜昆布出汁と春菊のしゃぶしゃぶは、肉の脂をすっと整えてくれる一皿。コース全体の流れに、しっかりと緩急があるのも印象的だ。
そして、この店の名物ともいえる逸品。篠田のヒレカツサンド。
絶妙な火入れで仕上げられたヒレは、しっとりと柔らかく、噛むほどに旨みが広がる。
そこにほんのり効かせたタバスコソース。重たくなりがちなカツサンドに、軽やかな余韻を残す。
焼きのパートに入ると、裏篠田の真価がより際立つ。
名物の“ひれのひとやき”。未真空さがり、そして群馬増田牛の赤身。
どれも素材のポテンシャルを最大限に引き出す火入れで、肉そのものの味わいがダイレクトに伝わってくる。
締めは、群馬増田牛イチボの炊き込みご飯。コースの余韻を優しく包み込むような、滋味深い一杯。
派手さではなく、
一皿一皿の完成度と流れで魅せる店。
焼肉というジャンルにいながら、ここまで“コースとして成立している”体験はそう多くない。
名古屋・栄。知る人だけが辿り着く、肉の隠れ家。
またひとつ、通いたくなる店に出会った。














