そんな女の子も

だんだん大きくなり、

小学校の生活も始まります。


女の子はとにかく

忘れ物も多いし

学校から持ち帰らない物も多くて


先生からもお母さんは

よく怒られました。


お母さんから、女の子もよく怒られました。


それでも、どんな罰を受けても

女の子はちゃんとできないのです。


それなのに

お口だけは達者に成長していくもので

お母さんはもっともっとイライラしてしまいます。


加えて、女の子は

あまりご飯が好きではありませんでした。


食べること…

そこにそれほど興味がわかないのです。


お母さんはお料理が上手で

毎日沢山のお仕事場の人たちの分と

女の子の家族の分のお食事を

手作りで作ってくれました。


だけど、女の子は嫌いなものはないけれど

沢山食べることが苦手でした。


すぐにお腹がいっぱいになるのです。


だから、いつもせっかく作ってくれた

お母さんのご飯を残してしまうのです。


ご飯を食べないことは

お母さんも心配です。


そこでお母さんは考えました。


夕方4時をすぎたらお菓子もお水もなんにも

食べても飲んでもいけません。


そうすればきっと、

お腹が空いて女の子も沢山食べてくれると

思ったのでしょう。


ところが、それでも

器によそられた半分くらいしか

食べられないのです。


一生懸命食べるんだけど

入らないのです…


するとまた、お母さんは怒ります。

痩せっぽちな私を心配して言うのだけれど


なんで食べないの?

どうして?って…


だから、女の子にとって

ご飯の時間は嫌なお時間でした。


学校の給食も同じです。


食べきれないのです。


嫌なわけでも、嫌いなわけでも

ないけれど、

お腹がいっぱいなのです。

もう入らない…


それでもよく、女の子はお給食も最後まで

残されて過ごしていました。


でも、不思議なことに

おばぁちゃんのお家では

そんなことないんです。


おばぁちゃんのお家では

食べられる女の子の好きな物


それは手の込んだ料理ではなく

例えばお漬物であったり

お芋の煮っころがしであったり

焼き魚であったり…


そういう物が並んでいました。


女の子は、朝ごはんの卵焼きの匂いで目が覚めたり

ウインナーを焼いてくれたり


そんなことが嬉しくて

朝からでも、ご飯を沢山食べました。


そう…きっと

女の子が食べていたのは

ご飯に形を変えた愛だったのかもしれません。


決してお母さんや学校に

愛がなかった訳ではないのです。


でも、きっと

そこには私を想ってくれる時間や

眼差しがなかったのかもしれません。


とっても贅沢なお話なのかもしれないけれど

女の子はいつもそれを求めていたのです。



つづく…


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