1996年9月11日(水)

 

 

遍路道の清流、景色、宇佐大橋
 清滝寺から三十六番青龍寺までの遍路道は天気もよかったし歩いていて実に楽しい。遍路道に沿って流れる小さな疎水、潅漑用であろうか、実にきれいな水が豊富にとうとうと流れる。 実に美しく、のどかな田園風景である。お杖も暑くてお疲れであろうと、その流れに何度も浸して洗い、涼んでもらった。 
 道中には鰹の加工工場もあって、道路際にいくつもの鰹の大きな冷凍ブロックが自然解凍を待っているのか放置されていて初めて見るものには大変珍しく、写真に撮るだけではものたらず、一度こんなところで作業者として働いてみたいと思う。また、宇佐の大橋、なかなか景色がよい。貝類であろうか、海の幸を求めて小舟が沢山出ている風景が、この大橋の上から望むことが出来る。高所恐怖症の自分には足が震えて欄干には容易に近づけないのであるが。かつては渡し船があったそうだが、そのころは今とは異なる別の風情があったのではと思われる。 
 

三十六番青龍寺(しょうりゅうじ) 11時50分着。山門の仁王様、ご両人ともやや童 顔、純朴なるお顔だち、優しさがあふれている。手洗い清潔なるも灯明台不備。鐘楼なし。 
 

  わずかなる泉に棲める青竜は 仏法守護の誓いとぞきく 
 

 

 新しい靴にはきかえて足はまずまずだが、次の須崎市までは自信なく、ここは無理は禁物と考えて今夜は近くの国民宿舎土佐に泊まることにする。しかしチェックインまで時間があり過ぎて、仕方なく海岸べりで缶ビールを飲んで家族連れの海水浴を見て時間待ちしているとベンチの上で約1時間心地よく居眠ってしまった。

 

 

 

稲の取入れの3人衆に会う。遍路者と知って途端にソッポを向かれる。

やはりS学会派であろうか。

定年遍路記 1996.09.11(水)

 

 

36番青龍寺を打ったあと、国民宿舎土佐に入る前の時間待ちで、海水浴を

見ながらビールを飲んで休んでいると、1時間も眠ってしまう。

定年遍路記 1996.09.11(水)