【改訂】定年欧州自転車旅行093.第八章スペイン ――ＹＨ管理人のアドバイス

ビアリッツ⇒サン・セバスチャン（St.Sebastian）62.2km

1998年 9月9日(水) 快晴　9月10日(木) 曇　連泊滞在

ＹＨ管理人のアドバイス

　受付にキッチンのキーを借りに行くと、それまで西語オンリーであった高年管理人が小生のＴシャツを見てそれは何だと英語で問ううてくる。シャツは四国八十八ケ寺徒歩遍路の時に買ったもので、胸の部分に例の遍路マークが入っている。三重の塔とお杖を手にした遍路者の図案が朱色で描かれ、黒の文字で円形に囲まれている。

「キミは仏教徒か？　キミはリスボンに行くのだろう？　それなら是非勧めたい道がある。サンチャゴ巡礼街道を知っているか？　ピレネーを越えた所にパムプローナという街がある。そこが第2の出発点だ。徒歩なら1ケ月の行程だが、自転車で走れば何日かかるかな……」

　ピレネーを越える自信はここへ来てなくなっており、ヒリーで大変らしいがスペインの西北部の海岸沿いに走るつもりでいたのである。しかし管理人の英語熱弁にぐらつく。「キリスト教徒の巡礼道だが、異教徒でも許される。宿も巡礼者用に沢山ある。きっとよい経験になるであろう……」

　夜遅くまで地図とにらめっこして迷う。ピレネー越えには路線バスがあるそうだ。

ビアリッツ（Biarritz）のＹＨ前