昨日から降り続いている雪。明朝から北京出張、8時のフライト。さて、昨晩夕食を取った皆さんからもいじられてたのですが、果たして朝何時に出るべきか?
駐在地の前提条件
1)通常なら空港まで40分
2)搭乗手続きは規定では30分前まで。ただし、列を成していた場合、共同窓口のため、時間になると手続きを終わってしまう。
3)空港閉鎖の可能性もあるが、空港の出勤時間は朝6時30分でそれ以前は知るすべがない。確認してから出発しては間に合わない。
4)高速道路封鎖は、現場まで行った人の街のうわさを聞かないとわからないので、これも行ってみるしかない。
5)鉄道もあるが、相変わらず空港駅から空港への通路はできておらず、雪の中10分以上歩かねばならない。朝一番の列車もその通り出るかどうかは不明。スケジュール通り到着しても、歩いて空港に入ると離陸40分前で危険すぎ。
みなさんからは、高速封鎖に備えて朝5時出発。旧道は除雪もされないので2時間は見るべき!
といわれたものの、くたびれてるし、朝6時に出ればうちの運転手の腕と、チェックイン何とか30分前にもぐりこめば2時間有るさ、と、迎えを朝6時に設定しました。
朝起きてみると、外はすっかり雪景色。路面にはそうですね、大体3センチくらいの積雪。でもこれがこちらでは大雪。
天気予報では雪、と最初から言ってるのだから、夜の間雪かきすればいいのに。さして雪かきされてません。ぶーたれつつ出発。しばらく走ると、いつもの葬式の車の行列。いつもにも増してのろのろ走ってます。あいたた、これもあったか。30分ほどかけてようやく高速乗り口に到着すると、あにはからんや高速は封鎖。
さてどうする?
人がわらわらしているので降りてみると、高速の開通見込みなし。人は口々に党大会期間中に事故起こっちゃまずいから絶対入れないといってます。なるほど。警官はバスに乗れ、といっています。確かに空港バスが一台と待ってますが、もはや寿司詰め観光バスタイプの通路に人が折り重なっています。次のバスもすぐ来る、といってますが、途中追い越した覚えはなく、当分来そうにありません。空港に電話してみると、通常通りとのこと。ほんとかよ???なら8時に飛んじゃうの?
旧道をひた走るか?でもこの状況から見て、へたくそな運転手が大勢流れ込み道全体のスピードを落としている可能性高く、ハイリスク。
考えているうちに、人を鮨詰にしたバスは封鎖されているはずの高速入り口を通っていきました。これしかないか?
そういっているうちに車から降り出した人がわらわらわらわらと増えていきます。その間、南方航空のマイクロバスが、ほとんど人も乗せず、通り過ぎていきます。おいおい、職員だけ行ってどうする?待つしかありません。気温はマイナス6度。帽子と手袋をしてもライナー付きトレンチでは多少ふぶいていることもあって寒すぎです。一旦車に戻ってじっくり待ちます。
待つこと15分。離陸1時間15分前!バスがやってきました。さっと車をおります。こういうときは車のそばにいたやつの勝ち。バスの邪魔をしつつバスと一緒に停まるところまでついて行きます。同じテクを使っている人も数名。幸い目の前でバスが停まりました。すごい押し合い!何とか3人目くらいに乗り込み、すばやく開いていた一番前の席の窓側をゲット。バスにはすでに市内から乗ってきている人もいるので、あっという間に席が埋まり、その後、鮨詰に向けぐりぐり人が乗ってきます。もう乗れない、と思われたころ、2歳くらいの子供を抱いた女性が乗ってきました。これがさらにねじ込まれ、私の席の並びの横に。すると私の横の通路側に座っていた30歳くらいと思しき男性がさっと席を譲ります。さすが、子供連れに優しい!やっぱり政権取ってる人たちがこの国を悪くしてるんだな、と認識を新たにします。
もう乗れん。通路に3列くらいの人がねじ込まれ座っている人の上に折り重なったところで出発。運転手が前が見えないと文句を言っています。確かにその通り。高速道路です。これで車が滑ってこけたら死ぬな、と覚悟。もちろんチェーンは着いてませんから。
乗り込みだしてから5分あまりで出発。離陸まで1時間10分!
あるひとが運転手に空港どうなってますか、と質問。俺も呼ばれて急遽来たからわからん、との回答。そうですかとしか言いようがないが、まあ、日本なら大混乱だな。しばらくして、席を譲った男性が、”昨日の晩道路管理局の局長から明日朝は封鎖になるって聞いたんでバスで早めに出発したんだ。でもせき譲ったよ。”との発言。何でそんな大事なこと上層部で握りつぶす?あらかじめ無理とわかってたら夜中に雪かきさせられるから?自然災害だからとしっかり寝て朝からがんばったほうが見せ場があるからとしか思えません。毎度のことですが。それと、日本人的には”せき譲ったよ"は余分だけどなあ。やっぱり善行はみんなにひけらかしてようやく認知されるお国柄。ODA(もうないけど)、NEDO、NPO,無駄遣いせずにしっかりアピールしてください。
幸い滑ることもなく、順調に飛ばしています。これなら空港まで20分あまりで付きそう、と安心したところで携帯が鳴ります。
(小声で)今バスの中なので日本語やばいんです。メールします。
空港大丈夫かの問い合わせ電話。昨日の晩一緒だった方からです。一瞬びびりましたが、幸い悟られず、事なきを得ました。メールで現状報告。
雪を蹴立ててバスは進む。でもこの雪、夜のうちに除雪しておけばどおってことのない量で、逆に、冬本番では雪の降らない当地では高速の安全運行のためには最初が肝心。後は凍って取れないので、道路上の根雪になる、という悲しい宿命。ああ、去年は11月末に雨が降ったからよかったけど、今年は根雪付きの高速、決定です。スキー場まで時間かかるなあ、、、
何とかそのまま快速を保ちつつ空港に7時15分ごろ着。離陸45分前。やった!まにあった!。
ちょうど、列車も着いたのか、駅からわらわらと人が吐き出され、空港に向かって雪の中1列でとぼとぼと歩いています。さびしい風景です。この風景で3回目の冬。来年も無理かな?
幸い搭乗手続きにはほとんど人が並んでおらず、すばやく完了。安全検査、これは相変わらず込んでいます。順番すっ飛ばして一番前に行って、何分のフライトだから、と直訴するのがここのスタイル。だから全然進みません。やっぱりこれにはなじめません。幸いなぜか締まっていたゲートが開いてそこに飛び込んだので5番目に安全検査。相変わらず鳴らなくても身体検査。電気製品はすべてかばんの外に出すお約束つきです。登場口には離陸30分前着。ちょうど搭乗手続きが始まりました。メールでもチェックしようとコンピュータを立ち上げると、離陸25分前にファイナルコール。ええっ?待たないの?しぶしぶコンピュータをしまって、飛行機に乗り込みます。7時55分ごろまでわらわら人が乗ってきましたが、定刻の8時にはクローズ。定時出発確保です。
さて、これからいつ飛ぶか。そんなのわからないことがわかっている私は、乗った瞬間から首枕、耳栓、アイマスクの3点セットを準備、シートが倒せないので枕をもらって腰に当て、寝に入ります。8時に締まったのをマスクをずらして確認。抱えていたコートを、隣の席に置きます。寝ることしばし。8時25分、まだ飛びません。あと15分で離陸?ほんとかよ??まともに動き出したので時間を見ると8時40分。へえ、CA(中国国際航空)はまだマシですね。
定刻から約50分遅れで離陸し、北京にも55分ほど遅れで到着。その旨、さっき電話もらった方にメールすると、おお、40分なら正常の範囲じゃん、普通に空港やっててよかったね。
さすが大先輩、とにんまりさせられつつ、バッファーに取っておいた自分の事務時間をすっ飛ばして約束の場所に向かったのでした。