=続き=
「ぶち、どうしたの?」
授業開始の日直の号令とざわつきの中、小声で隣の女子が話し掛けてきた。
…どき…
あ、ボタン取れそうでさ
僕は彼女の目を見ないで答える。
そう、彼女が初恋の相手、あい子ちゃんだ。
初恋と呼ぶには色々な概念がある。
幼少期に抱くLIKEの延長の初恋、年上に抱く憧れ、男女の感情。
そう。
初めて抱く男女の感情。
でもよく分からない。
なんか、こう、もやもやするような。
いつも目で追っちゃって、彼女をとりまく全て、もうシャーペンの芯とか所持品すら全てが神秘的。
そんな彼女の目なんて見れない。
いつもの精一杯のそっけないフリの僕の答えに彼女は
つけてあげよっか
胸が高鳴った
言いようのない幸福感に包まれる感じ
今でこそ、普通の会話かも知れない。
当時は女子が男子に手作りの巾着袋のシューズケースをプレゼントすることが大事件な時代
ま、僕の場合はたかがボタン
でも、好きな女の子が僕が毎日着ている制服のボタンをつけてくれる
彼女が触れた糸やボタンが僕のものになる
半ばアブノーマルな感情を抱きながら、
マジで?じゃ頼むわ
頭の中ではカーニバル
当時僕は子供ができるメカニズムすら知らない無垢な少年だった
人を好きになることは知ってる
でもその先、どうしたいのか分からない
付き合うって何?
付き合うってどういうこと?
つまり、好きになった後、好きでいることしか知らない僕にとって
彼女と紡ぐ会話の一つ一つ
日常訪れるできこと
ささやかでなんでもない接点の積み重ねが僕の幸福を満たしていた
彼女は
「じゃあ…ぶちが部活行ってる間につけてあげる」
はい。
行きます。すぐにでも。
普段はルーチン的だった部活も、今日は待ち遠しい。
=続く=

「ぶち、どうしたの?」
授業開始の日直の号令とざわつきの中、小声で隣の女子が話し掛けてきた。
…どき…
あ、ボタン取れそうでさ
僕は彼女の目を見ないで答える。
そう、彼女が初恋の相手、あい子ちゃんだ。
初恋と呼ぶには色々な概念がある。
幼少期に抱くLIKEの延長の初恋、年上に抱く憧れ、男女の感情。
そう。
初めて抱く男女の感情。
でもよく分からない。
なんか、こう、もやもやするような。
いつも目で追っちゃって、彼女をとりまく全て、もうシャーペンの芯とか所持品すら全てが神秘的。
そんな彼女の目なんて見れない。
いつもの精一杯のそっけないフリの僕の答えに彼女は
つけてあげよっか
胸が高鳴った
言いようのない幸福感に包まれる感じ
今でこそ、普通の会話かも知れない。
当時は女子が男子に手作りの巾着袋のシューズケースをプレゼントすることが大事件な時代
ま、僕の場合はたかがボタン
でも、好きな女の子が僕が毎日着ている制服のボタンをつけてくれる
彼女が触れた糸やボタンが僕のものになる
半ばアブノーマルな感情を抱きながら、
マジで?じゃ頼むわ
頭の中ではカーニバル
当時僕は子供ができるメカニズムすら知らない無垢な少年だった
人を好きになることは知ってる
でもその先、どうしたいのか分からない
付き合うって何?
付き合うってどういうこと?
つまり、好きになった後、好きでいることしか知らない僕にとって
彼女と紡ぐ会話の一つ一つ
日常訪れるできこと
ささやかでなんでもない接点の積み重ねが僕の幸福を満たしていた
彼女は
「じゃあ…ぶちが部活行ってる間につけてあげる」
はい。
行きます。すぐにでも。
普段はルーチン的だった部活も、今日は待ち遠しい。
=続く=
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