こんな天気のいい日は
あなたと手をつないで どこかへ行きたいのに
あなたは仕事で疲れてるから


“今日はふとん日和”


って気持ちよさそうに また寝る体制
ふとんと仲がよくて 嫉妬しちゃうよ…

休みの日は
かまってくれないと 許さないんだから







「けーたくんけーたくんけーたくん 起きて朝だよ!!」

「う゛~…ん」



窓にかかってるカーテンを開け 光が差し込んだのがわかると
ケータくんはますます布団にもぐりこんでしまった



「今日はすっごい天気いいよ!どっか行こうよー」


「…たつや うるさい… もうちょっと寝さして…」

「うる!; …休みの日は俺と遊んでくれるんじゃないの?」



そういやそんな約束もしてたな; とタツヤとの約束を思い出す
寝たふりをしたままその場を回避しようと思っても
布団の上からのタツヤの視線が痛い




(そうだ)

少しの沈黙が続いた後 何か思いついた啓太が口を開いた





「んー・・・ じゃぁタツヤが おはようのキス
 してくれたら起きるよ?」





「…はぁ!?」

(こいつ… 起きてんのに寝ぼけてんのか?)





自分からイタズラ半分でキスしたり
向こうからキスしてきたり

そういうのはよくあることだけど

“キスして”

というのは そんなにない
いつも照れくさくて誤魔化して 結局向こうからされるのだけども
今日はそういうワケにはいかないようだ





「も もう  お 起きてんじゃん !」

「体が起きてないのー だからタツヤの愛で起こして?」

「臭っ!」

「…どーでもいいけど
 してくれないんなら 俺このままだけど?」



それでもいいの? なんて目で訴えてくる
その目が何を考えてるかイヤでもわかるのだけど

ここで引いたら負けて(?)しまう!




「わ わかったよ… したらいーんでしょ!」

「そ? じゃぁ はい どーぞ」

「…」





 ちゅ





「こ これで いいで/// うわ ぁ!」



一瞬のキスをして 離れた瞬間
腕をつかまれ布団の中に引きずりこまれた
目を開けると 目の前にはケータくんのアップが



「あー 抱き心地サイコー…」

「お 俺は 抱きまくらじゃなーい!!!
 それにキスしてあげたじゃん!! 起きるよ!!!」

「俺はこのままでいーよー…」

「ちょっ 約束と 違うじゃ ん!
 俺はけーたくんと遊びに行きた うむ?!

 んーんーんー!!!///」



コレは“黙れ”のキス



「…っは …これでも行きたい?」

「~~~っ///  朝から 盛んなーーー!!!」



バシィィィ!!!!



「た たつや?!」




ケータくんの右頬には真っ赤なもみじが
叩いた後 すばやく布団から出ると寝室を出て行く




「もう知らない! 布団といちゃいちゃしてれば?!」

「はぁ?! ちょ ま って!」





 バタン





「はぁ…;
 …そのうち 戻ってくるか…;」





ケータくんは どうせすぐ戻ってくると思ってるけど
今日はすぐになんか 戻ってあげない

でも きっと

俺の方が寂しくて すぐに戻ってしまうんだろうな
少しの間でいいから俺が居ないと寂しいと思って欲しい





休みの日は
かまってくれないと 許さないんだから

とか思ってても 布団の中で寝てるあなたを見ると
きっと許してしまうのだろう




どうせなら 晴れ じゃなくて 雨 になればいいのに
だったら外に行こうとは思わない







明日は雨になりますよーに

あと少ししかない休日に雨が降るのを祈る





 * E N D *