一体何日ぶりの日記か・・・。
最後の日記を書いた次の日の早朝、いつもは部屋に勝手に入ってくることのない母に突然たたき起こされる。
弟が、殴られて意識不明・・・。「東京の病院の先生から今電話があって。」
広尾のERに運ばれたのが朝5時頃。でも意識がないので、先生も何も言えないらしい。警察も来ていたとのこと。「とにかく状況が分からないから行って来る」と言い残すと、慌ただしく支度をして両親は朝一の新幹線で東京に向かう。
絶句でものも言えない私はただ「気をつけて」とつぶやくしかなかった。
連絡を待ちながら、ゆっくり考える。
なるようにしかならない。祈るしかない。
一方でこんなふうにも考えた。
でもなんか不安な感じがしてこない。身内に何か起きるときはもっと胸騒ぎがして不安になるんだけど・・・。だから大丈夫なんじゃないかなあ。
お昼前にやっと父から連絡が入る。意識は戻ったけど、脳内出血があるし、首の付け根も腫れているから絶対安静だ。ただ命には別状がないらしい・・・。
一瞬ほっとしたけど、脳の障害はいつどうでるか分からないから油断はできない。ただしばらくは様子をみるしかない、と。
三日後、病院に行くと殴られた瞼が腫れていて、顔色も悪くむくんでいる。
「バーカ」
と一言声を掛けると、痛々しさと安心で、涙が出てきて困った。
しかし。
彼は正月に帰ってきたときに既に病的な顔色をしていたのだった。
テレビの番組を作るディレクターという仕事なので、生活は不規則。今時の独身族らしく、食事は時間も内容も不規則、徹夜続きが多く、放送本番明けは浴びるほど酒を飲む。それを10年続けて健康な訳がない。今回も実は意識不明ではなくて、深酒して寝入ってしまっていたのだ。
思い出した。
正月休みが終わって東京に帰る弟の顔をみて、このままでは先は長くないだろうな、と思ったこと。でも、彼は健康のために仕事を辞めて田舎に帰ることはしないだろう。と、心配ながらもこれが運命か、と諦めていたのだった。
今回この事件があって、彼は天からの病気療養期間を得た。まあ彼自身はそうは思えないだろうが、私は神様から弟を救ってもらったと思っている。
もしこれが軽いけがで済んだとしたら・・・。彼の身体は良くならないまま早死にすることになっただろう。このまま内臓の検査もしてもらおう。今までは時間がないと全て後回しにしてきたのだ。それを精算するときだ。
今現在彼はまだ立ってトイレに行くこともできない。脳の状態は何とも言えないが、食欲はあるし、快方に向かっているように思う。
この期間で10年分休むといい。何日かして顔色は正月に会ったときよりも良くなっていた。規則正しく食事をし、たっぷり眠る毎日。きっと怪我が良くなる頃には内臓の機能も正常に戻るだろう。もともと丈夫な身体なのだ。
私は彼の顔のツヤを眺めながら、神に感謝する。
最後の日記を書いた次の日の早朝、いつもは部屋に勝手に入ってくることのない母に突然たたき起こされる。
弟が、殴られて意識不明・・・。「東京の病院の先生から今電話があって。」
広尾のERに運ばれたのが朝5時頃。でも意識がないので、先生も何も言えないらしい。警察も来ていたとのこと。「とにかく状況が分からないから行って来る」と言い残すと、慌ただしく支度をして両親は朝一の新幹線で東京に向かう。
絶句でものも言えない私はただ「気をつけて」とつぶやくしかなかった。
連絡を待ちながら、ゆっくり考える。
なるようにしかならない。祈るしかない。
一方でこんなふうにも考えた。
でもなんか不安な感じがしてこない。身内に何か起きるときはもっと胸騒ぎがして不安になるんだけど・・・。だから大丈夫なんじゃないかなあ。
お昼前にやっと父から連絡が入る。意識は戻ったけど、脳内出血があるし、首の付け根も腫れているから絶対安静だ。ただ命には別状がないらしい・・・。
一瞬ほっとしたけど、脳の障害はいつどうでるか分からないから油断はできない。ただしばらくは様子をみるしかない、と。
三日後、病院に行くと殴られた瞼が腫れていて、顔色も悪くむくんでいる。
「バーカ」
と一言声を掛けると、痛々しさと安心で、涙が出てきて困った。
しかし。
彼は正月に帰ってきたときに既に病的な顔色をしていたのだった。
テレビの番組を作るディレクターという仕事なので、生活は不規則。今時の独身族らしく、食事は時間も内容も不規則、徹夜続きが多く、放送本番明けは浴びるほど酒を飲む。それを10年続けて健康な訳がない。今回も実は意識不明ではなくて、深酒して寝入ってしまっていたのだ。
思い出した。
正月休みが終わって東京に帰る弟の顔をみて、このままでは先は長くないだろうな、と思ったこと。でも、彼は健康のために仕事を辞めて田舎に帰ることはしないだろう。と、心配ながらもこれが運命か、と諦めていたのだった。
今回この事件があって、彼は天からの病気療養期間を得た。まあ彼自身はそうは思えないだろうが、私は神様から弟を救ってもらったと思っている。
もしこれが軽いけがで済んだとしたら・・・。彼の身体は良くならないまま早死にすることになっただろう。このまま内臓の検査もしてもらおう。今までは時間がないと全て後回しにしてきたのだ。それを精算するときだ。
今現在彼はまだ立ってトイレに行くこともできない。脳の状態は何とも言えないが、食欲はあるし、快方に向かっているように思う。
この期間で10年分休むといい。何日かして顔色は正月に会ったときよりも良くなっていた。規則正しく食事をし、たっぷり眠る毎日。きっと怪我が良くなる頃には内臓の機能も正常に戻るだろう。もともと丈夫な身体なのだ。
私は彼の顔のツヤを眺めながら、神に感謝する。