物価高騰は世界じゅうどこも同じ。ここオーストラリアでも、誰もがなげいています。

でも私もそうですが、留学生とかワーホリとか、価値がダダ下がりの日本円依存民は、それどころじゃありません。円安の為替レートだけで、物価が30%以上あがっているのと同じだからね。そこにインフレの値上げが加わって、異国の地で爆死している若者も多いんじゃないかと思います。

 

うちの息子は料理男子です。でもそれは、日本のようなオシャレなもんじゃありません。まずは「オージーの料理じゃ白飯が喰えん」というのがあります。ソースの類がね、かったるく甘めのグレービーソースとかフルーツのソースとか、醤油ぶっかけたくなる味ばかりですから。特に白飯食べたい男子は、自分で作るしかないわけです。

 

そして、それ以上に深刻なのが食費。外食がめちゃ高いんです。

シドニーでも安くて人気の日本の外食チェーン「やよい軒」。この値段を比べてみると一目瞭然です。

 

さば塩焼き定食 日本770円  豪州20.80ドル(×92.73=1929円)

 

チキン南蛮定食 日本770円  豪州21.80ドル(=2022円)

 

これで高い〜と思っちゃいけない、この値段でもオーストラリアでは突出して安くて、普通の店ならまあ30ドルはいってしまいます。

 

背景にあるのは、オーストラリアの人件費です。最新の最低賃金(minimum wage)は時給23.23ドル、今日の為替レートだと2154円です。日本では東京の最低賃金が10月から1113円になると言ってますな。過去最高の上昇だとか。

 

オーストラリアではそれにバカ高い家賃が加わります。いまの我が家の家賃、週に800ドルですよ。日本円で74000円以上。週でね。日本だったら豪華タワマンに住めます。

そういうのが価格に乗ってくるから、とにかく外食が高いんですよ。

 

食材自体は、すごく高いわけではありません。東京の物価の高い所にいた私からみると、日本より高いものと安いものが混在している感じです。

現実として、日本食料品店で結構買って、二人で普通の家庭の3人分くらい食べて、月々の食材費は6万円ちょいくらいじゃないかな(家計簿つけてます)。外食をしなければ、こんなもんです。

 

昨今はオーストラリアの最低賃金が有名になって、それ目当ての出稼ぎワーホリもいるみたいだけれど、外食してたら絶対にお金は残りません。むしろ家賃で足が出るんじゃないかな。

 

留学生も同じ。過去に色々な留学生を見ているけど、高校生は特に生活能力が低くて驚きます。ホームステイ先に持っていくお土産よりも(そんなものいらないし)、せめて鍋でご飯炊いたり、簡単な料理を特訓してこようよ。それができないと、オーストラリアの食事で便秘したり太ったり、ボロボロになってるの、よくみるよ。ワーホリの場合は、稼ぐこと以上に大事。

 

さて、日本よりオーストラリアの方が安い食材とは何か。ここのところ贅沢していたので、昨日はちょっとお安いメニューにしました。日本の物価と比べてみてください。

 

まずチキン。オーストラリアのチキンの今の値段は、もも肉(皮なし)が100gで1.35ドルです。日本円にすると125円/100gですね。昔は胸肉よりもも肉の方が安かったのに、逆転してしまったのは中国系の移民が増えたからかな? オージーは今でも胸肉のほうが好きです。

 

 

そのチキンの中で安いと思うのが、骨つきもも肉とドラムスティックです。こっちで売っているもも肉って、腿のほんの一部なのよね。腿全体からバスンと切り落としたのが、この骨つきもも肉とドラムスティックになります。欧米人の嫌う皮と脂肪がたくさんついているから、人気がなくて安いらしい。

 

チキンの骨つきもも肉はChicken Marylandと書いてチキン・メリーランドと発音します。ウルワースで5本で14.58ドル。1352円なり。1本270円ですな。大きいんだよ。たぶん普通の人なら1本で充分。

 

ここからは超いい加減レシピになります。

 

オーブン用の瀬戸物容器に、じゃがいも、玉ねぎ、人参を厚めのスライスにして敷きます。チキンに塩胡椒をしたら、それだけでもいいんだけれど、私はスイートパプリカをまぶし、ついでにローズマリーも振りかけます。パプリカとかローズマリーとか、オーストラリアでは安いからね。でもって、やらなくてもいいんだけれど、私は皮と皮を爪楊枝で閉じます。こうすると皮が伸びて、パリパリになって美味しいんだもの。

 

 

そして野菜の上に乗せ、スプレーのオリーブオイルをチキンにかけます。オリーブオイルのほうが、温度が高くなるから、皮付きチキンには絶対にこれね。でもって30分くらい前から200度に加熱しておいたオーブンに入れて、30分から1時間焼きます(アバウト)。途中で一度チキンの裏表をひっくり返して、またオリーブオイル。

 

 

さあ出来上がり。とはいかず、食べ始めてから慌てて撮ったのが下の写真です。これ、チキンの脂と肉汁で野菜が柔らかくなって、我が家のお気に入り。でもこの2人で5本は絶対に真似しないほうがいいです。すごい量で、かなりきました。

 

 

さてお値段の総括です。ホワイトポテト(日本で言うメークイン。ブラウンポテトはもっと安い)が200円/kg。玉ねぎ180円/kg。人参93円/kg。シドニーのど真ん中で、高くないと思うんだけどなあ。

私が、あまり高くないと思うと言うと、卵が12個入りで400円以上するじゃないとか、集中砲火を浴びるんだけど、牛乳は1Lが150円くらいからだし、ここのところイチゴは250gパックがずっと200円きってるし、先入観入ってると思うんだよね。

 

 

あ、ドラムスティックも安いね。値上げしたって、まだこの値段です。町の肉屋で安売りしてたりすると、スーパーの袋いっぱいで5ドルとか、驚きの安さです。こいつでケンタ風フライドチキンを作って、山のように食べます。揚げない唐揚げ粉をつけて、オイルスプレーして、オーブンで焼けば簡単です。

 

オーブンはオーストラリアのキッチンなら必ずついているから、温度、タイマー、焼き方(ファンが回るのにしておけば大丈夫)を適当に設定して、肉をぶち込みましょう。

私は日本にいたころ、キャンプ以外ではいっさい料理をしていなかったので、いまだに野戦料理の域を出ていません。だから私にできるものは誰にでもできます。

 

でも最近思うのは、息子の方が料理センスみたいなものがあるんだよね。私は味見すると失敗するタイプで、味付けには全て計量スプーンを使います。

だから異国暮らしでよかったのよ、料理の腕以前に食材の調達とか工夫を必要とするから。でもって、美味しいだろーとドヤ顔をしております。