学校でのランチは、いつも仲のいいチャイニーズたちと4、5人で集まって、屋外のテーブルで食べます。

今日はたまたま小雨混じりだったので、屋内の食堂に移動しました。

 

この場所、苦手なんだよね。電子レンジがいくつかあって、お湯も出るんだけれど、お弁当を温める連中が長い列を作って、いつも混んでいるんだもの。

ここに集まるのはチャイニーズが中心で、比較的年齢が上で、食後に爪楊枝を延々使う世代。

本来は、私はそっちの世代なんだけど、誰もそう思っていないから良しとしております。

 

相席状態で観察していると、いろいろ気づきました。

中国人の場合、まず全員がお弁当はご飯で、ライスの上におかずを乗せた形態。

そしてそれをチンするから、弁当はみな耐熱容器に入れて持ってきています。

彼らがカフェテリアでランチを買わないのは知っていたけど、サンドイッチとか軽いランチを持ってくる人がいないのにはびっくりです。

 

私「なんでサンドイッチとか食べないの? 晩御飯みたいな昼食が普通なの?」

Nが笑います。「中国人はね、HOTな食事しか食べたくないのよ。だから私たちも、いつも保温容器に入れて持ってくるでしょ」

ええっ、そういうことなの!?

 

 

写真はランチ仲間のEちゃん(22歳)。いつもお母さんが作った保温容器入りのお弁当を持ってくるんだけど、寒いからだと思っていました。

でもって皆さんが持っている水筒。中身はもちろん熱いお茶ですが、これまた夏でも熱いお茶がいいんだって。

 

同じライス民だから、かえってその違いに気づかずにきてしまいました。

彼らが食べているのは100%中華料理だから、確かに冷たいと美味しくないかもね。だってほとんどの料理が油を使っているもの。

それに対して、たとえば幕の内弁当なんて、脂っ気、ほぼないですよ。

熱いお茶を飲むのも、食後の口の中をさっぱりさせるには必要なのかも。

 

そうやって考えると、中国人が寿司を食べるようになったのは、すごいことだと思い当たります。

元々ライスを酢であえて、サラダとして食べていたヨーロッパ人の方が、まだ寿司文化に近いところにいたわけで、中国人が冷たいご飯+生魚を食べるようになったのは、もう食の文化大革命みたいなものだったんです。

 

 

ありとあらゆるものを食べると言われる中国人には、次のような格言があります。

 

4本足のものは机と椅子以外、2本足のものは家族以外、飛ぶものは飛行機以外、水中のものは潜水艦以外なんでも食べる。

 

でもその食べ物を温度で見ると巨大な空白地帯があったわけです。そこに日本食が入り込んだ。相手は14億の胃袋ですよ。4000年の歴史ですよ。事の壮大さに胸打たれてしまいます。

 

動物生態学の延長で、文化人類学の本を読み漁っていた私は、日々のこういう発見が本当に楽しくて仕方がありません。

 

ちなみに世界における寿司の浸透度はすごいものです。アラビア人もコロンビア人も、そしてウクライナ人まで「SUSHI大好き」と言っています。

このへんになると、日本人がライスを食べる民族であることすら知らないのにね。