どこかで聞いたことのあるおとぎ話。
ある嵐の夜、結婚相手を探している王子と母のお后が住む宮殿に、
二人の姫が「泊めてほしい」と現れた。
母のお后は二人の姫に、それぞれとてもふかふかのベッドを用意した。
翌朝、それぞれの姫にお后は訊ねた。
「よく眠れましたか」
姫Aの答え「はい、とても気持ちよくぐっすりと休ませていただきました」
姫Bの答え「(言いにくそうに)とてもよくしていただいたんですけど、
どうしても背中に何かが当たって、休めませんでした」
これを聞いたお后は、姫Bを息子王子の嫁にと選んだという。
なぜなら。
お后はそれぞれ幾重にも重ねた布団の下に、そっと真珠を忍ばせたのだ。
姫Bにはそれに気付くだけの繊細さがあり、王子に相応しいと判断したのだった。
・・・はぁ?
私には姫Aの方がむしろ慎み深かったのではないだろうかと思えた。
姫Bこそ、むしろ自分の我を通してしまう無神経さがあるのではとすら思えた。
姫Aだって、実は真珠に気付いていたかもしれないのだ。
だけど親切にしてもらったひとに、そんなことを言えなかったのではないか。
姫Bはなんだか自己中な素顔が垣間見える・・・。
だけど今の私、真珠が気になっているのではないだろうか。
ああ、いやだな。
そんなものは優しく重ねられた布団に紛れ込ませておけばいいのかも。