感染性胃腸炎 | 船乗りの現実逃避未遂

船乗りの現実逃避未遂

旧 現実逃避完遂計画

感染性胃腸炎になった。

昨日の朝、腹部に違和感を覚えた。
「お腹を壊したか?」
胃はよく痛めるものの腸のほうは丈夫なもので、そう壊さない。

「多分疲れているんだな、まぁたまにはこんな日もあるさ」と出勤。
それにその日は上司がステーキを食べに連れて行ってくれる約束だった。
1kgステーキを食べたかった。
違和感程度で休んでいられない。(大食い)

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私は肉体労働系の仕事をしているが、その日は事務作業を指示された。
予想最高気温は30度半ばで快晴。
そんな環境下でいつもの肉体労働は正直大変だ。
エアコンの効いたお部屋での事務作業をありがたく引き受けた。

ミッションクリアを目指して早速パソコンを始める。

(寒いな…。)

エアコンの設定温度は高め。

(いつもならこの程度の温度で寒がるなんてありえないのに…
不摂生で身体が冷えているのか?

他の人はこんな暑い日に肉体労働。
戻ってきた人がここに求めるのは間違いなく涼。

私は重ね着しているのだ。
気のせいだと思ってエアコンの操作は我慢しよう。)


そうして作業を続けているうちに
朝に覚えた違和感は悪化の一途をたどる。


(なんだかお腹痛い…。)

(あれ…気持ち悪い…吐きそう…。)

(お部屋が寒いから体調を崩したのかな…。)


やがてあまりの不調に椅子に座ったままうずくまるようになった。

胃腸が痛い、吐きそう。

そうしているうちにいつの間にか時刻は昼。
食いしん坊かつ大食いで有名な私が昼食を拒否したことで
心なしか上司や先輩方も心配しているように見えた。

「具合が悪いんじゃステーキは無しにするか」
上司の言葉に内心私はとても悔しがった。
ああ、ステーキ…。

昼食タイムで誰もいなくなった空間で私は涙を流す。
なんたって具合が悪い。

(とりあえず、気分転換も兼ねて外のお手洗いに行くか…)

(外は酷暑なんだろうなぁ…)


気温は既に35度を突破していた。


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外に出た途端に違和感が強まった。

私はかなりの厚着をしていた。
快晴な空に高い気温。

それなのに、全身鳥肌が立つほど寒いのだ。

(これはただごとではない)

そこにたまたま上司が通りかかった。

「大丈夫かい?」

「あの…ものすごく寒いんです。」

「ええ? それは風邪だな。
身体が資本だよ、今日は帰りなさい。
ここから一番近い病院は○○クリニックだよ。」


お言葉に甘えて早退することにした。


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直属の上司に早退したことを連絡し、私は一旦帰宅した。
午後の開院まで時間があったのだ。

私は早退を決めたついさっきの自分を称賛した。
明らかに体調がひどくなっている。
お腹は脈打ち、ひどく痛む。
吐き気がすさまじい。
何より寒い。

部屋でうずくまりながら、開院時間を待った。

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「あら、住所が都会だけれども」

「仕事でたまたまここに来まして…、しばらく滞在するんです」

「そうなの、慣れない土地でとんだ災難だったねぇ」

私は感染性胃腸炎と診断された。
また、絶食を言い渡された。
薬をいくつかと、OS-1を渡された。

帰宅するころにはお腹の痛みがピークに向かってどんどん昇っていくようだった。
なんとか口にしたOS-1がとても美味しく感じた。
塩気をほとんど感じす、なんと甘いことだろう。
自分の脱水状態を実感した。
がぶがぶ飲みたいところだったが、お腹が悲鳴をあげるかのように痛んだので
ちまちまと堪能した。

事の次第を先輩に報告したところ、金曜日まで休めることとなった。
こんなに休めるなんて! 怪我の功名! と内心諸手をあげて大喜び。
「でもその後はいつも通り休日出勤してもらうね。」
あー、やっぱり休日出勤? ですよね、そうですよね。はい。
こんなに休めるだけありがたいです。 お腹痛いけど。


お腹の痛みに苦しんでいたら、いつの間にか眠っていた。


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そうして今日はゆっくりと過ごした。
相変わらず痛いが、昨日ほどではない。

直属の上司から私を気遣う電話がきた。
他にも同じ症状でダウンした人がいるようで、どうやら流行っているらしい。

先輩からも電話がきたと思ったら、
事務のお姉さんをお見舞いに派遣してくださるとのことだった。
先輩ごめんなさい、電話にでるまで「まさか出勤しろってか!?」と警戒しました。

しばらくして、
事務のお姉さんと、先輩社員の方(上にでてくる先輩とは別のお方)が
ポカリやおかゆ、ゼリーを携えてお見舞いに来てくださった。
ご面倒をおかけして、ありがたいやら申し訳ないやら…。

うつしてはイカン、という気持ちもあり、「早く休みなさい」というお言葉に甘えて
私は部屋に引っ込んだ。

しばらくじっとお見舞いの品を見ていたら、はっとした。

出費させてしまった…。

復帰したらお財布持って改めて御礼申し上げようと強く思った。




それにしても、何に中ったのだろうか。
思い当たる食べ物が特にない。
まあこの季節だ、なんらかの雑菌が口に入ったことは間違いない。
それに食べ物じゃなくても、食器が原因というのもありうるのだ。


お見舞いに頂いたハ○ターでキッチンを掃除した。


結論。
清潔と衛生に気を付けても中るときは中る。