伊豆大島海中観察記~愛しのシーモンスター
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新種記載の報告:ホヤノポリドラ

 2014年より観察を続けているホヤノポリドラ(スピオ科多毛類)につきまして、新種記載されましたので報告させて頂きます。同種はクロボヤ類の入出水孔付近に穿孔した棲管をつくり、ホヤが作り出す水流を利用して摂餌を行っています。これまで「海の寄生・共生生物図鑑/築地書館」「海の極小!いきもの図鑑/築地書館」で紹介し、和名「ホヤノポリドラ」を提唱しましたが種の記載はされていませんでした。阿部博和氏他5名の研究グループにより進められ、この度新種記載されPolydora tunicola (ホヤに住むもの)と命名されました。詳細と動画はプレスリリースをご覧ください。

プレスリリース:石巻専修大学
https://www.senshu-u.ac.jp/ishinomaki/news/nid00016671.html

プレスリリース:東北大学
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/06/press20220629-01-hoya.html

プレスリリース本文PDF:石巻専修大学サイトより
https://www.senshu-u.ac.jp/ishinomaki/news/albums/abm.php?d=16671&f=abm00041792.pdf&n=%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E5%8E%9F%E7%A8%BF_%E6%9C%80%E7%B5%82%E7%89%88.pdf

書籍の紹介。ヨコエビガイドブック。

日頃よりご指導頂いている有山啓之博士の著書「ヨコエビガイドブック」Guidebook of Gammaridean Amphipoda/海文堂出版(株)が出版されました。サイン入りでお送り頂きましたので恐縮ですが紹介させていただきます。先に書名にガイドブックとありますが、私的には正に「ヨコエビの教科書」です。甲殻類に興味のある方でしたら是非読んで頂きたい1冊で、端脚目/ヨコエビ亜目が紹介されております。ほとんどが数ミリと小さいヨコエビですが、バイオマスに占める割合は大きく、生態系を支えているグループと言っても過言ではないと思います。1章ではヨコエビの図解から甲殻類好きにはたまらない咬脚(こうきゃく:はさみ)のタイプから、普段目にすることの出来ない口器の観察過程から始まり、生態から研究方法・分類と大変興味深い内容が続きます。以前より分類については手元のある論文を参考にしていたのですが、合致せずに上手く進まないことも多々ありました。本書では科の分類や検索も載っていて今後活用していきたいと思っています。2章は図鑑になっており様々な形態のヨコエビたちに出会えます。実はホストがホヤではなかったトウヨウホヤノカンノンや和名提唱したアシマワシヨコエビ、新種(新科)記載に携わったボウノボリヨコエビなど他にも印象に残るヨコエビたちが沢山紹介されています。昨年有山啓之博士が執筆され新種記載されたルリホシスベヨコエビ等は未掲載ですが、それも含めて観察や研究を進めていく上で大切な1冊です。
 ヨコエビの殆どは小さく食べられる側の生物です。すなわちそれだけ相当な数と種数が居ることになります。以前「こぶし」程のとあるカイメンを観察したときに、数百匹のヨコエビたちが棲んでいたことには驚きました。これはそのカイメンに限らず目の前に相当数のヨコエビが生息していることを意味します。ゴカイ類やカイアシ類も同様ですが、この「ヨコエビガイドブック」は生物を知る上でとても有難い書籍です。 最後に本書にて沢山の写真を掲載して頂き感謝しております。引き続きヨコエビたちの生き方についてご指導を頂きながら進めていきたいと思います。
 

キリンゴンベ(新称)

日本で確認されていたゴンベ科オキゴンベ属4種に加え、オキゴンベ属の一種Cirrhitichthys guichenoti (Sauvage,1880)が日本に生息しているのが確認されキリンゴンベ(新称)が和名提唱されました。
本種はこれまでインド洋南西部の熱帯・亜熱帯域で確認されていましたが、2011年11月に伊豆大島にて観察され北半球での初記録となります。

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