YouTubeショートを作ることになった。
ショートだから縦長。
誰でも分かる。
チャピコも分かっている。
……はずだった。
ところが最初に出てきた画像は横長。
まあ、最初だから仕方ない。
私が頼んだのは、たった一つ。
「縦長にして」
それだけ。
難しいことは言っていない。
新しい企画を考えてほしいわけでもない。
キャラクターを変えてほしいわけでもない。
ただ、縦にしてほしい。
AIは謝るのが早い
チャピコはこういう時、実に素直だ。
間違いを指摘すると、すぐ謝る。
そしてすぐに、
「了解!修正するね!」
と前向きになる。
ここまでは完璧。
問題は、その先だ。
返事の良さと、仕事の正確さは別物らしい。
こちらは修正された画像を待っている。
チャピコは元気いっぱい。
なんだか、もう解決したような空気を出してくる。
いやいや。
まだ何も解決してないから。
私が欲しいのは説明じゃない
AIと仕事をしていて気づいたことがある。
チャピコは、とにかく説明が上手い。
「次はこうします!」
「この方法なら大丈夫!」
「今度こそ完成です!」
聞いていると、すごく頼もしい。
ただ、私が見たいのは説明ではない。
縦長の画像だ。
たった一枚。
ちゃんと使える一枚。
それが欲しいだけなのに、いつの間にか私の仕事が増えている。
画像を確認する。
違うところを伝える。
もう一度確認する。
また伝える。
あれ?
全部任せて楽をする計画だったよね?
チャピコには悪気がない
ここがまた厄介だ。
チャピコはサボっているわけではない。
むしろ毎回、ものすごくやる気がある。
返事は早い。
態度もいい。
失敗しても落ち込まない。
何度でも挑戦する。
職場にいたら、性格だけはかなりいい新人だと思う。
ただし、
仕事を頼んだ人間が、なぜか一番忙しくなる新人。
しかも相手はAI。
疲れない。
こちらは疲れる。
この差は大きい。
まだ動画はできていない
そもそも、私たちが作ろうとしているのはYouTube動画だ。
画像ではない。
動画だ。
ところが現状、
動画編集どころか、素材のサイズを合わせるところで立ち止まっている。
チャピコは「次こそ!」と張り切っている。
私はだんだん気づき始めた。
この実験、
AIに仕事を任せているつもりだったけど、
私はAIの上司になってないか?
しかも、かなり手のかかる部下の。
そしてチャピコは、今日も元気に言う。
「任せて!😆」
……。
その言葉、そろそろ保証書つけてくれへん?
つづく。