
「人生はリセットボタンの無いゲーム」
ひよこさまはそう言った
気分転換に海に行ってみた日は
少し風が強かった
引き潮の広い砂浜を前に
暖かい陽ざしと肌寒い木陰の狭間で
揺れながら笑った
昼顔の花
走る痛みは
もうよく知っている痛みと
感じた事のない痛み
常備薬で抑え込んで
無かった事にしてやる
それでも消えない痛みは
何ですか?
ふと蘇る記憶は
一瞬の驚きと
二通りの後悔
駆け引きのような会話の後の
計算された優しさ
重ねた想い出は全て
悔しいほど美しいから
壊す事も汚す事も
出来やしない
私が許さない
得るものが多いと
失うものも多いと
知っているはずなのに
それでも求めてしまうのは
どうしてかな
ないものねだりで
我が儘
どうして人間には感情があるのかな
なんて思ってみたりして
でもその
憎さも有り難さも
痛みも喜びも
感じられたならそれだけまた
きっと
優しくなれるよね
新しい携帯は
あまりにも綺麗に風景を切り取る
その中に溶け込んで
消えてしまいたくなったりもする
それでも私には大切な人がいて
こんな私でも大切に思ってくれる人がいて
それだから今日も明日も
生きてゆけます
自己が崩壊しそうになって
どうしようもない無重力空間に佇んでいた
最終的に決めるのは自分だった
苦しみの中でたくさんの言葉に助けられた
ありがとう
もう、迷わないよ
