学生時代、
単発のアルバイトを多くしていました。
1日とか3日で終わり、その場でお金がもらえるので
とても好都合だったからです。
先日久しぶりに日本橋に行き、鮮明に思い出したバイトがありました。
20年少し前、真冬の時期に日本橋の高島屋(だったと思う)で1日か2日だけ、
実演販売士の補佐という珍しいバイトをしたことがあります。
実演販売士ってあの通販番組でよく見る
「ほら見てこの切れ味!!すごいでしょ～
」
」と商品のすごさを紹介して
周りのギャラリーのマダムを
あらー
とか、まぁ
と関心させて商品を売る人たちですね
とか、まぁと関心させて商品を売る人たちですね
日本橋高島屋も実演販売士と会うのも初めてだった、当時ハタチのわたし。
緊張しながら指定場所に現れたのは、
これまた目を細くした哀川翔みたいな、
色の入ったメガネでややリーゼント気味の
ものすごくコワイおじさんでした
(でもスーツはとてもオシャレだった)
)しかも話すのがバリバリの広島弁で
声も実演販売士特有のガラガラ声
その声で昔のヤクザ映画の菅原文太みたいに
「〇〇じゃけぇのぉ」とリアルに話す人が初めてで
若かったわたしはさらに怯えました
一気に憂鬱になったけど、
仕方ない
バイトはどうせ単発で終わるし
短い間だけ我慢すればいいもんね。
でもこんな怖い見た目と話し方で
商品買ってくれる人なんているのかな。
日本橋高島屋の中では完全に異質な存在だし、、と思っていました(失礼
)
)その日売るのは木製の高級ハンガーで、
下方向に連結させると省スペースかつ
たくさん掛けれるみたいな機能がついたやつ。
モノは確かに良い品でしたが、
ハンガーなのに1本数千円(だったと思う)で
大学生の私からしたらますます「いやこれ売れないでしょ!!
」と
」と思うようなものだったんです。
10時の開店時間になってお客さんがゾロゾロ入ってきても
当然うちらのブースには人はまばらで
やることがない私はヒマでした笑
その間におじさんは、
広島出身で長くこの仕事をしていること、
家も広島だけど全国飛び回っているから日本で行ったことない県はあと2つくらいしかないこと、
私と同じくらいの娘さんがいることなんかを話してくれました。
なんだ、見た目コワイけど全然気さくで
優しい人だな
良かった
と思っていたら
良かったと思っていたらおじさんが「そろそろいきますかね」と言って通り過ぎるお客のマダム達に向かって
普通の世間話をするような感じで話し始めました。
そのときは全然広島弁じゃなくて
キレイな標準語で
見た目コワイけど不思議と人懐っこい感じなので
ぽつぽつ足を止めて聞いてくれる人が出てきたんですよね。
マダムの1人にハンガーを手に取って見てもらって
その間に他のお客さんにも話しかけて、というのを繰り返してるうちにあっという間に人だかりができて、
1人が「じゃあこれもらうわ」と言ったのを皮切りに「あ、わたしも」という感じで
レジと品出し担当のわたしは一気に忙しくなりました
この人すごーー
たいそう怖い見た目なのに
短時間でおばちゃんの懐に入り込んで
あっという間に心を開かせている
押すところは押すし、でも強引さはなくて
しつこくなる手前でスっと引いたりする
で、その高級ハンガーはあっという間に
大半が売れたのでした
後ろから見てただけだけど
あの背中はすごくかっこよかったです。
プロってこういう人なんだなぁという感じがしました
お給料をもらうのにそのおじさんが働いてる会社に電話を入れる必要があって、そのとき知ったのですが(ここでも電話に出た女性がコテコテの広島弁で怖かった)
)そのおじさんはやっぱりすごいやり手だったらしく、
よく売る人だから忙しかったでしょう？と電話の女性に言われて
でも一方でとても優しくて
あなたはうちの娘に似てる！と言って
お昼をおごってくれたりもしました
もう名前も会社名も忘れてしまったけど元気かなぁ。
まだ現役でたくさん売っててほしいなと思います
おわり
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