わたしが高校生のとき
クラスに馴染めず
一時期不登校になった
(といっても1週間か10日くらい?)
友達ができず
居場所がなくて
孤独と孤立している恥ずかしさで
いたたまれなくなったのが
原因だ
今から考えると
無視されていたワケでも
人間関係が
それほど険悪だったワケでもないが
相手とうまく話せなくて
会話が続かなかったり
女子高生特有のノリに
ついていけなかったりで
だんだん疎外感を感じるようになり
そのうえ
「友達がいない」
という人目が耐えきれず
学校に行くのが
とても苦痛になったのだ
学区外で行ったから
知り合いは誰もいないって
分かってたでしょ
それでも行きたいって
自分で選んだ学校なのに
と
母親からはとても責められたので
家にいるのは許されない雰囲気で
どこにも居場所ないなぁと感じて
横浜の祖父母の家に
泊まらせてもらったりしていた
このまま学校辞めたいなぁ
でも家にいるのもイヤだなぁと
思っていたときに
母親から突然
「ちょっとパパと話してくれる?」
と言われた
うちの父親は天真爛漫というか
子煩悩ではあると思うが
家事育児に一切口出しをしないし
休日は自分の好きな
DIYに没頭するようなタイプの人で
父子2人で話したことも
長らくなかったので
ものすごく驚いた
学校行けってすごい怒られるのかな、と
緊張しながら応接間に入ると
父がソファに座っていて
「学校行きたくないんだって?」
とだけ聞かれた
わたしが
「うん」
と答えると
父は
「パパ達は若くて結婚したし
今までこれっていうこともしてきてやれなかった。それなのに、まゆみがここまで立派に育ってくれてパパは嬉しい。本当に嬉しいよ」と
涙を流していた
学校行かないことを
責められるかと思っていたのに
父親の方が泣いてる?
それも私のことを立派だって
びっくりしすぎしたので
話の詳細はあまり覚えていないが
あー、パパは
若くて結婚して必死にやってきたけど
あまり手をかけてやれなかったって
思ってるんだなぁ
そして私のことを
「立派に育った」と
思ってくれてるんだなぁ
ということが初めて分かって
胸を打たれた
そして
この人を泣かせるようなことを
しちゃいけないな
と
16歳のわたしは思って
高校は辞めなかった
あのとき
親の声を無視して退学してたら
どんな人生だっただろうと
想像したりもするが
結果的に辞めなくて良かったと
今でも思っている
父の涙を見たのは
そのときが最後だ
(私の結婚式でも多分泣いてなかったし)
男親の愛は深い
そして
お父さんに泣かれると
わたしは弱い
多分何でも
言うこと聞いてしまう気がする
お父さん
あのときはありがとね
おわり