大学受験のための塾に通っていて
個性的な英語の先生がいました
海外で何年もヒッピーみたいな生活を送って
日本に帰国してから職を転々としたのち
塾講師になったというような人で

授業の合間に話してくれるアメリカでの生活の話とかがすごく面白くて

(強盗にナイフで刺されてお金盗られたとかもあったり
)

で、ある日の授業のときに
A rolling stone gathers no moss.
(転がる石に苔は生えない)
ということわざを教えてくれたときの事が
今でもとても印象に残っています
意味が2つあり
①職や住まいを転々とする人はお金も友達もできない
②1つの場所や物事に留まらない人は
しがらみや固定観念がつかない
日本で言われるのは①
でももともとの意味は②なんだ
確かこんな感じのことを教えてくれて。
部活や習い事も長続きせず
高校も入ったばかりで辞めたいと言って
母親から常々飽きっぽくて続かない事を責められていた私にとっては
光が射したような瞬間でした

「転がる」というのをポジティブに捉えている発想が衝撃的で。
先生が
「アメリカとかだと引越しや転職は頻繁にするのが珍しくないし、いろんな仕事をして
新しい環境でどんどんスキルを磨いて
ステップアップしていくって普通なんだよ」
というような事を言っていて
首がモゲそうなくらいびっくりしました

終身雇用が大前提で当たり前だった
1997年頃のことです。
1つのことを長く粘り強く続けられない
飽きっぽいわたしは
ダメな人間だと思っていたので
そうじゃないかもしれない、と思えました

今でも結構そのときの授業を思い出します

前提が変わると見える景色が変わる、
というのを初めて体感できた瞬間でした

先生元気かなぁ

同じ話を今でも生徒にしててほしいなぁと
思っています

おわり
