硬膜外ブロック注射から2週間が経った。 
ブロックアウト(麻酔切れ)してから、臀部の痛みが持続している。  

特に明け方は痛みレベルが8前後まで上昇する。自律神経と副交感神経が関係してるかもしれない。朝食後に薬を服用すれば、耐えられるレベルにまで痛みは治るのが救いだ。

この日は、整形外科の受診日。
前回よりも臀部の痛み増し増しになっているので、早めにタクシーを呼んで病院に向かった。

正面玄関にタクシーを寄せてもらい、気合いを入れて歩き出す。診察受付を済ませて待合の椅子に腰掛ける。右の臀部の痛みで座っているのが辛い。

ここで気がついたことがある。待合の椅子の脚がやや長く、踵が床に着いていないのでダイレクトにお尻に荷重がかかるのだ。

周囲を見渡しても、ほぼ全員の踵が浮いていた。日本人の体格に合った椅子を用意して欲しいものだよねぇ、お婆さん。と、心で呟きながら私の隣のお婆さんに目を配ると、なんと踵が床に着いてるではないか!浅く腰掛けている訳でもないし、私より明らかに身長は低そうだ。

これは一体どういうトリックを使っているんだ。謎のお婆さんのトリックが暴けない焦りと、右臀部の痛みで冷や汗が滲み出た。

と、私の受付番号がコールされた。
ほぼ予約時間に呼ばれた。臀部を労わりながら診察室をノックし、中に入る。

主治医「あれからどうですか〜」

私「はい。2日後の朝までは効いてました。それ以降は痛みが出てきて…明け方が特に臀部が痛みます」

主治医「冬だから朝は痛むかもねぇ。今日もブロックしてく?」

私「⁉︎」
(ブロックは効いたけど、アウトした後から痛みが増したんだよなぁ。これ以上痛みが増すのは勘弁してほしい)

私「今日は…注射なしでお願いします」

主治医「そうか。わかったよ。じゃあ、もう2週間様子みましょうか。安静にしておくようにね。薬も2週間分追加しとくから〜」

私「え?あ?はい」
可動域の確認とか、健反射とか、いろいろするのかと構えていたが、拍子抜けしてしまった。

診察室を出て、少しがっかりして待合を抜けていく。

謎のお婆さんは既に居なかった。
同時に椅子が目に入った。お婆さんが座っていた椅子は、その他の椅子と外観は同じだが、5センチほど脚が短かった。見抜けなかった自分に、大変がっかりした。




本日の痛み
朝8→5
昼6
夜8→4