軍事戦略としてのレイプ
「女性と開発(世界の紛争と女性)」 という授業で学んだことを、忘れないようにまとめをしてみました。
話は1990年代の中央アフリカ・・・。
映画『ホテル・ルワンダ』 や『ルワンダの涙』 を見たことある人は知ってると思うけど、1994年にルワンダで大虐殺が行われた。
これはルワンダ国内でのフツ族とツチ族による民族紛争が過激化して、多数派のフツ族が少数派ツチ族を大虐殺した事件。
この民族浄化策に用いられたジェノサイド(←大虐殺のこと)の裏側で、もう一つ重要で決定的な軍事戦略が行われていた。
それが、レイプである。
なぜこの組織的レイプ(女性への性暴力)が、ルワンダだけではなく旧ユーゴ内での民族紛争においてもよく用いられたのか?
それは・・・・・旧ユーゴ内では、敵を殺すこと(大虐殺)と同じくらい、もしかしたらそれ以上に女性をレイプすることが敵に大打撃を与える手段だったからである。
旧ユーゴにおける「女性」の価値= 「純潔」 「貞操」 であり、
男性の価値=性的に活発であること
つまり、女性の処女を守り、夫だけが妻とセックスすることが最高の誇り、名誉だった。
このようなエスニック・ナショナリズムのある社会では、組織的レイプが軍事戦略として多大なる影響力を持ってしまう。
→直接性的暴力を受けた女性だけでなく、誇りや名誉を守れなかった男性にも多大な打撃を与え、屈辱感・無力感から士気が低下し、社会全体が機能しなくなってしまうから。。。
また殺すよりも効果を発揮するというのは、憎い敵に「一生苦しみを与え続ける」ことがレイプには可能なためだ。
実際レイプを受けた女性というのは、一度に20人くらいの兵士から次々に強姦され、妊娠をさせられてしまう。
レイプという最悪な形での妊娠、そして憎い敵の子供を産み、一生育てていかなければならない現実。。。
また妊娠のケースだけでなく、レイプをする兵士グループの中にわざとエイズ感染者を多く含ませ、レイプによって女性にもエイズを感染させ一生苦しませるという方法もあったそうだ。
組織的レイプは、紛争が終わってもずっと敵地に傷跡を残し、死ぬまで打撃を与え続けるという殺人よりも惨い軍事策略である。
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以上、ノートとか資料をさらっと見てまとめてみました。
10年以上たった今でも、レイプを受けた女性はエイズなどで苦しみ続けています。。。(ビデオとかで見た)
それにしてもよくこんなレイプを軍事戦略として用いることを思いついたなぁって思うよね。
レイプした兵士も、どんな気持ちでやったんだろ、、とか、性暴力した後どんな気持ちで生きていくんだろ、、とか、男性の性欲とかってよくわかんなくなる。
怖いね。。。
とりあえず「性」っていうものがこんなにも大きな力を持っていることに驚いた。
この授業は衝撃的なことをいっぱい学びます。