さて、一昨日の続きである。

結婚する前に、半年くらい同棲をしていた。
結婚を前提に‥。でも、その時点でも彼には「子どもができずらい」ということは言えずにいた。もともと子どもが好きでない彼に言っても、きっとたいした反応はないだろう、とは思っていた。
でも‥。私は結婚するならば、知っていて欲しいことだと思っていた。
でも‥。口にするのでさえ、怖くて出来ない。一言でも口にしたら、涙が出そうだった。

でも、勇気を出して‥「話しておかなければいけないことがある」
と告げた。が‥どうにもそれ以上の言葉が出てこない。
「やっぱり‥いいや」
と口もごもる私に、彼は「言わなければ何も伝わらない」と食い下がって聞いてきてくれた。

その時、なげやりに言い放つ私に食い下がってでも理解を深めていきたいと思ってくれている彼の優しさが嬉しかった。

私は泣きながらぽつり、ぽつりと話した。

聞き終わった後、優しく私を引き寄せてくれて、「できずらいなら、病院に行ったりしてみようよ。医学は日々進歩しているのだから‥。僕も協力するよ」
と言ってくれた。
その優しさが嬉しかった。

なのに‥。言葉と裏腹にお互い、子どもを積極的に作ろう、という行動はおこさなかった。
私はもう、32になっていたのに‥。

そのころ、私は幼稚園に勤めていた。
転職組だったため、その時で幼稚園2年目。まだまだ仕事がなれておらず、要領を掴みきれていなかったし、三年目では年長組の担任になってしまった。
これでは精神的にも、肉体的にも子どもを作るのはまず無理。
33の年では、子どもは諦めて、仕事に専念したのだった。

幼稚園は秋に「来年度はどうするか」の話をされる。
私は、迷うことなく、「辞めます」
と告げた。仕事に対しては未練があった。
幼稚園の仕事もだいぶ慣れてはきていた。

でも‥。人間関係も多少はあったし、引っ越したこと、それと何より、子どもを作る努力をしなければ‥と思ったからである。


さて、34歳にて、正社員からパートに変わる。
気持ち的にも余裕が出てきた。

それでも相変わらず‥。病院のドアをノック出来ずにいたのだけど。


そんなこんなで少し迷いのあった34歳。

35歳目前にして、このままじゃいけない と思う。

今年の1月に友だちから年賀状が届く。「旧姓に戻りました」

そう。離婚。35歳は色々と思い悩む年頃なのかもしれない

やり直すのも、子どもも‥。

そんなわけで、2がつに誕生日を迎えた翌週、初めて病院の門を叩くことになったのである。