「北のミサイルは日本製？」
2009/3/2
以前から言われていたことだが、北朝鮮のミサイルには多くの日本製の部品や日本製の工作機械が製造するのに使われているという。
サンケイ新聞が3月2日の「主張」であらためて指摘しているが、弾道ミサイルや核兵器の開発に関係する製品や機械の不正輸出は、未だに止まらないようだ。
さすが資料を持つ新聞社だけによく纏めて書かれているが、敢えて付け加えるとすれば、1993年9月の在日商社による、旧ソ連潜水艦の北朝鮮への輸出だろうか。
F級通常型潜水艦と、弾道ミサイル3基の発射装置を持つG-Ⅱ型潜水艦計12隻が「鉄屑スクラップ」として北朝鮮に渡っている。
扱ったのは東園商事（杉並区。91年2･13設立）という会社である。
G-Ⅱ型のSSN-5ミサイルのランチャーは、発射装置などの重要装備は外されていたとの話だが、潜水艦ランチャーの現物を入手したことは、十分今後の参考になったことと思われる。
F級も古い潜水艦だが、北はそれよりも古いR級（22隻？。中国製及び国産）を外洋潜水艦の主力として運用している。
部品取り等でこれも北の潜水艦隊の”近代化”の為に役立ったろうか。
韓国の国防白書2008年版に、北朝鮮が射程3000km以上という新型ミサイルを配備したことが指摘されているそうだが、これは以前から言われていた旧ソ連の潜水艦発射型弾道ミサイルSSN-6（R-27）を陸上発射用にしたものだと思われる（コード名；ムスダン？）。
この先北朝鮮が潜水艦或は水上艦船に「ムスダン」を搭載しようと思えば、入手していたG-Ⅱ型の資料が役立つことになるだろう。
元々が潜水艦搭載用に開発された弾道ミサイルであるし、潜水艦や水上艦船に搭載されて近海より「ムスダン」を奇襲発射された場合には、対応時間が極めて短く、弾道ミサイル防衛システムが対応出来ない可能性も生じるだろうか。
Globalsecurity.org 図では「NO-DONG-B」となっている。
以下引用：サンケイ新聞「主張」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090302/crm0903020239003-n1.htm
【主張】対北不正輸出 迂回ルートの徹底監視を
2009.3.2 02:38
核開発などに転用可能な磁気測定装置を東南アジア経由で北朝鮮に輸出しようとした都内の北朝鮮系貿易商社が、外為法違反で神奈川県警の家宅捜索を受けた。これまでに摘発された不正輸出の中でも、“確信犯”にあたる極めて悪質なケースだ。
磁気測定装置は、核開発に使われる遠心分離機の精度を向上させるほか、ミサイルの飛行を制御する３次元方向安定装置の開発にも有用とされる。北朝鮮が長距離弾道ミサイル発射の脅威をちらつかせている時期だけに、県警は不正輸出と北の核・ミサイル開発との関連を徹底追及してほしい。
万景峰号が日本と北朝鮮の間を自由に行き来していたころは、ミサイル部品が万景峰号で半ば公然と運ばれていた。２００３年、北の元高官が米上院の公聴会で行った証言によれば、ミサイル部品の９０％が朝鮮総連を通じて万景峰号で北に渡っていたという。
その後、税関検査が厳しくなり、３年前には、万景峰号の入港禁止を含む経済制裁が発動された。取り締まり方法も、戦略物資などの流出防止にとどまるココム（対共産圏輸出調整委員会）規制から、汎用品を対象とするキャッチオール規制に移行し、対象品目が広げられた。
それでも、不正輸出は後を絶たなかった。北への直送を避け、他のアジア諸国を経由した迂回（うかい）輸出に切り替えられたためだ。
これまでに、核開発に転用可能な直流安定化電源装置や生物兵器に転用可能な凍結乾燥機などがタイや台湾を経由して輸出された事件が摘発された。昨年も、核開発に転用可能な真空ポンプを台湾経由で北に輸出した事件で、都内の貿易代行会社が摘発された。
多くは北朝鮮系貿易会社などが関与しているが、そうでないケースもある。平成１８年２月、川崎市の大手精密機器メーカーが核開発に転用可能な３次元測定器を中国やタイに不正輸出した疑いで捜索を受けた。同社の製品がパキスタンの核開発科学者、カーン博士が築いた「核の闇市場」を通じて北に流れた可能性が指摘された。
北朝鮮などへの大量破壊兵器（ＷＭＤ）関連物資の流出に各国が危機感を強めている。迂回輸出は、そうした監視の目をかいくぐろうとする手口だ。捜査当局の取り締まり強化に加え、民間企業も北の核開発に手を貸すことがないよう、強い自覚を求めたい。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090302/crm0903020239003-n1.htm
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