2012年6月初旬、北海道の南東、倶知安(クッチャン)を旅した日記の続きです。
自分のための備忘録的内容ですので、適当にスルーしてね。
北海道ひとり旅 17 フゴッペ洞窟
「の~んなさいっ。」
すべて任せてと言わんばかりの
頼りがいのある深い抑揚。
「おふくろ」的温かみのある声。
救世主の車はドジな私を乗せて、
“らんしま”駅から余市(ヨイチ)駅へ向かった。
往復させては申し訳ないので、余市駅まで送っていただければ十分だと申し出る。
次の列車までは2時間以上待つが、
せっかく時間が出来たのだから、
ちょっと遠くていけないと思っていたフゴッペ洞窟にでも行ってみます、と。
すると、救世主は、
「フゴッペ洞窟なんて、洞窟があるだけ。
10分で見終わっちゃう!」
と仰る。
あらま。(・Θ・;)
でも、いいんだ。縄文時代のフゴッペ洞窟に行ってみたい。
――今思えば、私は「フゴッペ洞窟」という名前の音に一目惚れしていたんだろうなぁ。
行ける可能性があるとなったら、断然行きたくなった。
余市駅前に着くと、
救世主は、
「フゴッペ洞窟も連れてってあげるから、早く荷物とって来なさい」と仰る。
え? そんな嬉し……、いぁ、申し訳ない。ヽ(;´ω`)ノ
ここまで送って頂けただけで十分で……。
「い~からっ。早く荷物、取ってきて、
の~んなさいっ」
まるで「の~んなさい」呪文に掛かったように、
私はすたこらロッカーから自分の荷物を取り出すと、
再び救世主の車に乗り込んでしまった。
「お待たせするのも悪いですから……」と、往生際悪く恐縮する私に
救世主は仰った。
「洞窟は10分で見終わっちゃうから。
待っててあげるから、見ていらっしゃい。
それから、“らんしま”駅まで送ってあげる。
“らんしま”で1時間半くらい待つだろうけど、それくらいは大丈夫でしょう。
“らんしま”から乗れば、切符が無駄にならないからね。」
と、それが私にとって最良の方法であると考え抜いたように仰る。
頼まれたことをちょっとしてあげる人助け……という“乗り”ではなく、
どうしたらその人にとって一番いいか……と親身になって考えて行動してくれる、
そんな厚情に満ち満ちた心が、
あの「の~んなさい」の温かい抑揚を作るんだなぁ。(><;)
フゴッペ洞窟に着くと、立派な資料館のような建物になっていた。
洞窟の上に資料館が建てられている(?)。
救世主を車に残し、私ひとり洞窟へGo!
10分ならば、待たせたとしてもさほど悪くはないだろう……
と、気ぜわしく入場券を買うと、
ガイドは要るかと尋ねられる。
縄文時代の洞窟なんて、訳分からないので、
できれば専門家さんの説明を頂きたいものだ。
「じゃ~、お願いします。」
と、財布を仕舞いつつ答えた瞬間、
分厚いファイルを手にしたガイドさんが
私の横に立っておられた。早っ!Σ(=°ω°=;ノ)ノ
一見、ちょっと映画「レインマン」に出てくるダスティン・ホフマンのよう?
サーヴァント(特定の能力に驚異的な力を持つ人物)っぽい?
いったいどんな説明をしてくださるのかと思ったら、
これが面白い、面白い!
展示されている数々の出土品は
おそらく自分ひとりで見ていたら、「ほ~」と瞬殺してしまっただろう。
しかし、
ガイドさんの説明を聞きながら見ると、これがとても面白く、
洞窟内の彫刻も実に興味深く、
遠くアムール川との関連の話など聞くにつけ、
ガイドさんが資料を見せて説明してくれて、なお面白い。
聞けば幾らでも答えてくれそうなガイドさんで、
説明も熱い!
この方はきっとフゴッペ洞窟が大好きなんだろうなぁ……と思われた。( ´艸`)
洞窟は撮影禁止なのだが、
ガイドさんは撮影を許可すればいいのに……と仰る。
いっそうカメラも販売して、
どんどん来た人に撮らせてあげればいいのに……と。
そうなるように提案しているらしい。
資料館(?)のあり方にも
色々夢があるようで、
彼の意見が反映されたら、もっと開かれた楽しいフゴッペ洞窟になるのではなかろうか。
……などと、これからのフゴッペ洞窟が楽しみに思われたことである。
楽しい説明に、あっという間に時間が経っていく。
救世主は10分で終わると言ったが、
どうしてどうして、10分で終わるなんてもったいない!
しかし、お待たせするのは悪いし……
と、気になりながら、ついもう少し、もう少し……と説明を聞く。
資料館(?)は小さなものだったが、
あっという間に30分経過。
「10分」のつもりだったのに……。
これ以上救世主さまを待たせては悪いので、
泣く泣く見学を切り上げた。
フゴッペ洞窟、面白しっ!
(確かに、説明もなく、ただ見るだけなら10分も掛からないかもしれないが。)
是非、ガイドさんをお願いして、説明を聞くべし!である。
つづく
自分のための備忘録的内容ですので、適当にスルーしてね。
北海道ひとり旅 17 フゴッペ洞窟
「の~んなさいっ。」
すべて任せてと言わんばかりの
頼りがいのある深い抑揚。
「おふくろ」的温かみのある声。
救世主の車はドジな私を乗せて、
“らんしま”駅から余市(ヨイチ)駅へ向かった。
往復させては申し訳ないので、余市駅まで送っていただければ十分だと申し出る。
次の列車までは2時間以上待つが、
せっかく時間が出来たのだから、
ちょっと遠くていけないと思っていたフゴッペ洞窟にでも行ってみます、と。
すると、救世主は、
「フゴッペ洞窟なんて、洞窟があるだけ。
10分で見終わっちゃう!」
と仰る。
あらま。(・Θ・;)
でも、いいんだ。縄文時代のフゴッペ洞窟に行ってみたい。
――今思えば、私は「フゴッペ洞窟」という名前の音に一目惚れしていたんだろうなぁ。
行ける可能性があるとなったら、断然行きたくなった。
余市駅前に着くと、
救世主は、
「フゴッペ洞窟も連れてってあげるから、早く荷物とって来なさい」と仰る。
え? そんな嬉し……、いぁ、申し訳ない。ヽ(;´ω`)ノ
ここまで送って頂けただけで十分で……。
「い~からっ。早く荷物、取ってきて、
の~んなさいっ」
まるで「の~んなさい」呪文に掛かったように、
私はすたこらロッカーから自分の荷物を取り出すと、
再び救世主の車に乗り込んでしまった。
「お待たせするのも悪いですから……」と、往生際悪く恐縮する私に
救世主は仰った。
「洞窟は10分で見終わっちゃうから。
待っててあげるから、見ていらっしゃい。
それから、“らんしま”駅まで送ってあげる。
“らんしま”で1時間半くらい待つだろうけど、それくらいは大丈夫でしょう。
“らんしま”から乗れば、切符が無駄にならないからね。」
と、それが私にとって最良の方法であると考え抜いたように仰る。
頼まれたことをちょっとしてあげる人助け……という“乗り”ではなく、
どうしたらその人にとって一番いいか……と親身になって考えて行動してくれる、
そんな厚情に満ち満ちた心が、
あの「の~んなさい」の温かい抑揚を作るんだなぁ。(><;)
フゴッペ洞窟に着くと、立派な資料館のような建物になっていた。
洞窟の上に資料館が建てられている(?)。
救世主を車に残し、私ひとり洞窟へGo!
10分ならば、待たせたとしてもさほど悪くはないだろう……
と、気ぜわしく入場券を買うと、
ガイドは要るかと尋ねられる。
縄文時代の洞窟なんて、訳分からないので、
できれば専門家さんの説明を頂きたいものだ。
「じゃ~、お願いします。」
と、財布を仕舞いつつ答えた瞬間、
分厚いファイルを手にしたガイドさんが
私の横に立っておられた。早っ!Σ(=°ω°=;ノ)ノ
一見、ちょっと映画「レインマン」に出てくるダスティン・ホフマンのよう?
サーヴァント(特定の能力に驚異的な力を持つ人物)っぽい?
いったいどんな説明をしてくださるのかと思ったら、
これが面白い、面白い!
展示されている数々の出土品は
おそらく自分ひとりで見ていたら、「ほ~」と瞬殺してしまっただろう。
しかし、
ガイドさんの説明を聞きながら見ると、これがとても面白く、
洞窟内の彫刻も実に興味深く、
遠くアムール川との関連の話など聞くにつけ、
ガイドさんが資料を見せて説明してくれて、なお面白い。
聞けば幾らでも答えてくれそうなガイドさんで、
説明も熱い!
この方はきっとフゴッペ洞窟が大好きなんだろうなぁ……と思われた。( ´艸`)
洞窟は撮影禁止なのだが、
ガイドさんは撮影を許可すればいいのに……と仰る。
いっそうカメラも販売して、
どんどん来た人に撮らせてあげればいいのに……と。
そうなるように提案しているらしい。
資料館(?)のあり方にも
色々夢があるようで、
彼の意見が反映されたら、もっと開かれた楽しいフゴッペ洞窟になるのではなかろうか。
……などと、これからのフゴッペ洞窟が楽しみに思われたことである。
楽しい説明に、あっという間に時間が経っていく。
救世主は10分で終わると言ったが、
どうしてどうして、10分で終わるなんてもったいない!
しかし、お待たせするのは悪いし……
と、気になりながら、ついもう少し、もう少し……と説明を聞く。
資料館(?)は小さなものだったが、
あっという間に30分経過。
「10分」のつもりだったのに……。
これ以上救世主さまを待たせては悪いので、
泣く泣く見学を切り上げた。
フゴッペ洞窟、面白しっ!
(確かに、説明もなく、ただ見るだけなら10分も掛からないかもしれないが。)
是非、ガイドさんをお願いして、説明を聞くべし!である。
つづく