Bonjourフランス 福山知沙です。

【Découvrir l’art de la teinture Yuzen du kimono】


友禅作家の水橋さおりさまの個展を拝見するため、

白瀧呉服店を訪ねてきました。



嘉永六年創業、老舗オブ老舗。

さらに、将棋棋士御用達の呉服店として知られ、

店主の白瀧さまはあらゆる棋士の羽織から着物、袴まで全て管理。

どの対局でどの組み合わせを着用したか、

さらには勝ったとき・負けたときのコーディネートまで把握なさり、

今後のために縁起のいい組み合わせをお考えになる、

というプロフェッショナルなお仕事をなさっているお方。


一度、白瀧呉服店にお邪魔し、

白瀧さまにお目にかかりたい!と思っていたのでした。



そんな折。先週の竜王就位式で竜王に記念の羽織を贈呈するセレモニーがあり、

裏地を手がけた友禅作家の水橋さおりさまと

監修なさった白瀧佐太郎さまにご登壇いただきました。


閉会後お二人にご挨拶に伺うと、実は、、と

案内状をいただきました。




水橋さまの個展が白瀧呉服店で開かれること、

さらには竜王就位式で竜王に贈呈された羽織が

ご本人に許可をいただき展示されるということ。


ぜひ!と伺わせていただいたのです。



地下鉄赤塚駅の出口からすぐに、この立派なお店が。

このときの

高揚感たるや。


まだ着たことのなかった紬を着ていきました。


水橋さまの作品の展示スペースに入りますと、

その図案の愛らしさに心を射抜かれました。


お花、小鳥、動物たちがまるで絵本から飛び出してきたように

優しくあたたかな様子で描かれているのです。

ふっくらとした雀たち、

こぼれそうに咲く黄色いお花(ミャンマーのお花!)、

戯れる子犬たち。

瑞々しいブルーベリー。

こんなに素敵な柄の帯や着物、

もし持っていたらみんなに自慢したくなる!


水橋さまの自然や動物へのやさしいまなざしを感じる図案ばかりでした。


構想、図案、下絵、糸目糊置き、友禅の色挿し、仕上げと

ほぼ全ての工程を作家さんが一貫作業で行うのが

東京手描友禅とのこと。

(京友禅は分業制なのだそう)


作り手の愛をダイレクトに感じる東京手描友禅。

いつか白瀧呉服店で水橋さまの友禅を仕立てていただきたいな、

という夢ができました。


藤井竜王のファンの方々も羽織を見にこられていて

そのうちお一人のお客様と白瀧さま、水橋さまと

将棋や日本文化についてお話しし、

非常に豊かな時間を過ごさせていただきました。


着物への親しみがより一層増した1日でした。