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1ヶ月くらい前のことになりますが
「ダリダ〜あまい囁き」という映画を観てきました。

ダリダって誰だ?(すみません笑)という方も
「パロ〜レ パロレ パロ〜レ〜〜♪」という歌を聴いたことはあるかもしれません。
映画は、この歌を筆頭にヒット曲を出し続けたイタリア系エジプト人の歌手・ダリダの物語です。

映画ホームページより、あらすじ。
「60年代フランス。ミス・エジプトに輝いた美貌とそのエキゾチックな歌声で、フランス全土に社会現象を起こし、一躍スターとなったダリダ。ゴールドディスクを受賞し、歌手としての成功を掴んだが、私生活では数々の恋愛に悩み、愛する人との幸せな家庭に憧れ続けていた―。」

私はダリダの歌は何曲か知っていて歌ったこともあるのですが、
その人生についてはほとんど知りませんでした。

幼少期は目の病気にかかったせいで眼鏡コンプレックスがあり、いじめられっ子で、自分に自信がなかったこと。
(個人的にメガネの女の子って可愛いと思いますが)
その後眼鏡と決別してからメキメキ美しくなってミス・エジプトになったこと。
その勢いで映画に出たあとフランスに行ったが、
最初は売れなかったこと。
新人歌手として発掘されてから一気にスターダムにのし上がっていったこと。
ここまでは、ほー、シンデレラストーリーだなあと思うのですが、
その後の人生がしんど過ぎます。

家庭を持つという夢を持ち続けていたのに、
「愛した人が合計三人も自殺」という悲劇です。
自身も後追い自殺を図りましたが、一命を取り留め療養生活をしたり。
なんでこの人ばかりこんな目に・・・と見ていて辛くなりました。 

しかもその悲劇の間には、中絶というつらい経験もありました。
12歳年下の18歳の男性との間に出来た子どもでしたが、相手が若すぎて責任を負わすことはできない、という理由からでした。
そのせいで子どもが産めない体に。。
その経験が「18歳の彼」というヒット曲を生み出しました。
歌やお芝居は、自分の経験が生きるといいますが、この場合もそうだったのでしょうか。


歌手として大成功したダリダでしたが、
プライベートで不運が重なり、
最期には「人生に耐えられない。許してね。」という遺書を枕元に置いて睡眠薬で自殺してしまいました。
54歳でした。

仕事の成功=幸せ、ではあるけれど、
私生活がある程度平和でないとその幸せは味わいつくせないのだ、と思いました。

でもステージに立つダリダはまさに本物の、プロ中のプロ。
どんなに辛くしんどいことがあっても
お客さんがいる限りいつも最高で素晴らしい歌を届けていたし、
どんなに疲れていてもファンから求められれば、埃だらけの狭い道をパレードしたりもする。
歌うことと、スポットライトや喝采を浴びることが心の底から大好きだったんだなあと思いました。
「ズタボロになってもちゃんと歌ってる、、、プロ意識、高い!!!!!」とわたしの心の中はブラボーの嵐でした。

映画初主演のイタリア人女優、スヴェヴァ・アルヴィティがダリダを演じましたが、本物と雰囲気がそっくり。
しかも、映画館では誰かの香水が香っていたのですが、それがなんとなくダリダっぽい雰囲気の香りで
まるで本人が近くにいるような錯覚のなか
この作品を観ました。

しばらくダリダの世界から抜け出せないのでした。