檸檬 | まったりはんなり

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施設入所している母の施設に向かう道すがら、
あるお宅の庭先に檸檬の実がたわわになっているのを見つけた。


檸檬といえば梶井基次郎、
レモン哀歌の高村光太郎、
そして、今なら米津玄師かな。

中学生の頃に、智恵子抄の中のレモン哀歌を
国語の時間に勉強したことを思い出した。
精神を病んでしまった智恵子はなぜレモンを欲したのか、
危篤状態の中でレモンをかじった智恵子は
本当に一瞬正気になったのか等々
授業中にいろいろな意見を交わした。
レモン哀歌は、中学生の教科書には載ってなくて、
国語の先生自ら印刷して教材にしていた。
今思うとユニークで研究者っぽい先生だったと思う。

なぜレモンを欲したのか、当時は確か智恵子の好物だったのでは?と
答えた気がする。
一瞬正気に戻ったというのは、レモンの刺激によって
意識がはっきりしたのではないかみたいに
答えた。

当時高価でレアだったレモンを探し、
愛する智恵子の死に際に届けることが出来たのは
ある意味幸せなことではないだろうか。
先日、学生時代の友人達と新年会をした時に、
親の死に目に立ち会えた友人ばかりで、
死に目に立ち会うことの出来なかった私は、
ちょっと複雑な気持ちになった。

父が亡くなった日は、母と相方と私でお見舞いに行って、
帰宅した直後に病院から危篤だと連絡があって、
慌てて皆でかけつけたら、すでにエンゼルケアが
済まされていて、形式的に医師がご臨終ですと言い、
事務の方から遺体安置室は一つなので、
なるべく早めに葬儀屋に連絡してお引き取りをと急かされた。
ゆっくりお別れする間もなく、手を握ることもなく、
泣く暇もなかったのだ。

最後の晩餐ではないけど、最期に食したいものはなんだろう。
私なら、床についた状態ならアイスクリームかな。
父は日本酒かな?それとも大福かな?
約半年後遺症で飲食が出来なかったのは、
かわいそうだったなと思う。

父が亡くなって早四年、かなり認知力が落ちてきている母が
ずっと忘れていた父の腕時計をつけたいから
電池を入れてきてと頼んできた。
時々、施設で困った言動をしてしまうこともあるようだけど、
母の笑顔が見られるのが今は嬉しい。

子どもの頃に見ていた大人だと思っていた父や母の年齢を越え、
容姿が大人になっても心は成熟しているとは限らないことを
実感している。

智恵子が死の淵で欲しがったレモンをがりりと
かじったらトパアズ色の香りがするのか
確かめたくて、自分のお小遣いで八百屋さんに行き、
レモンを買って真似してみたことがある。

ただただ、顔がしわくちゃになるほど酸っぱいだけだったあせる
トパアズ色の香りはしたようなしてないような。
歯型のついたそのレモンは、何事もなかったかのように、
薄くスライスされて紅茶の中に入れられた。
レモンは生でかじるものではないことを知る14歳の私なのであった。

心の病んだ妻をひたすら愛する光太郎は、
少しだけ父と重なる。
生まれ変わっても3回までしか結婚しないと
いつも言っていた父。
3回も結婚すれば充分だろうよ。
もしも輪廻転生があるとしたら、
3回どころか4回めの結婚だったかもしれない。

だらだら書いてしまったけど、結局言いたいことは、
レモンを生でかじるのはオススメ出来ない、
親孝行は出来るうちになるべくしようということで(^-^;

追伸  今日はちょっと疲れたのでアプリのお手伝い等々は明日(18日)に巡回します。