私自身、何度か夢かうつつかわからないけど
結構多く不思議なものを目にしたことがあるので、
基本ちょっとやそっとのことでは驚かない。
ああ、そういうのもありだよなぁと思うぐらいで。
だから、「私、見えちゃうのよね。」という人の話も
信じるし、宇宙人もUFOも存在すると思っている。
ふと20年ぐらい前に会社の同期の結婚式に参列するために、
同期の故郷へと同期女子3人で地元の老舗旅館に
泊まった時のことを思い出した。
歴史の古い和風旅館は、バストイレが別ということでか、
シーズンオフだからかわからないけど空いていて、
3人なのに20畳ぐらいの広い部屋に案内された。
部屋に入ると黒い猫が後ろを向いて歩いている掛け軸が
目に入ったので、案内してくれたおじいさんの番頭さんに
「あの掛け軸の猫ちゃん、生きているみたいですね。」と言うと、
にまっと笑って、「わかりますか?時々微妙に位置が変わって
いるんですよ。」と言ったのでびっくりΣ(゚д゚;)
ついたのが夕方だったためか、「もうすぐお部屋にお料理が
届くんですが、布団も用意させて下さいね。」と少し曲がった
腰で手際よく布団を敷き始めた番頭さん。
なんというか普通のおじいさんではない雰囲気がした。
オーラの事はよくわからないけど、気配が白っぽいというか
仙人みたいなイメージというか。
気になって目で姿を追っていると私と目があった番頭さんは、
「私ね、自分の前世の事覚えているんですよ。ローマの
兵士で鎧兜を身につけて戦地に行ったことを昨日の事のように
覚えているんです。」と言ったのでまたまたビックリ∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
でも、私もそんなに鮮明ではないし断片的に夢の中で前世らしき
画像を見たことがあったので、「そうなんですか。」と普通に返すと、
「えぇ、親とか兄弟の顔もしっかり覚えていますよ。」とにっこり。
「なんか、すごいですね・・・」と言うとさらに不思議な話をしてくれた。
「政治家とか悪い事するじゃないですか。でも、悪い事は必ず
表に出るでしょう?あれはね、日本を思う修行積んだ人たちが
悪いことを隠せないように祈祷し続けているんですよ。
日本はそうやって昔から守られているんです。」とまたまたにっこり。
3人で「へぇーっ」と言うばかりだった。
布団を敷き終わると、「では、私はこの辺で。お食事お楽しみ
下さいね。」と微笑みながら膝をついたまま襖の戸を閉めて去った。
お食事がすぐに運ばれてきて、それはもう食べきれないほどの
豪華なお食事に舌鼓を打ち、翌日の同期の結婚式は別の洋風
高級ホテルだったので移動したのだけど、朝は仙人のような
番頭さんはいらっしゃらなくて残念だった。
ジューンブライドに憧れていたロマンチストな同期の結婚式は
それはそれは豪華で政治家とかもいっぱい来ていて、
お色直しも5回という派手婚だったけど、綺麗な笑顔を見て
私達もすごくうれしくなったものだ。
その後一男一女をもうけて、奥様になった彼女はいい奥さん、
いいお母さんだったと思う。
年賀状しかやり取りがなくなっても、たまに写真付きの葉書が
来るとそこには変わらない美しい笑顔があった。
残念なことに、たぶん病気だと思うのだけど2年前に天国に
旅立ってしまったけど。
バラの花が咲き始めるこの時期になると、不思議な番頭さんと
うつくしい笑顔の友人を思い出す。
生かされていることに感謝しつつ、今自分が出来ることを
がんばっていけたらいいなぁ。