やっぱり村上春樹の作品を映画化するのは難しいんだなと思った。

配役はすごく良かったと思うし、映像もすごく好きだったけど、
村上春樹作品の魅力は(個人的に)独特の言い回しとか表現だから
長編を2時間とかの映像にして、作品を全部保つのは難しいのかなぁと。

私は松山ケンイチの大ファンなのだけれど、
この作品でもすごく良かった!て思った。
しゃべり方とか、雰囲気とか、本当に私の想像するワタナベとか、村上春樹作品の男の人像に合っていて、最高だった。

いつもは穏やかで、自分でもあまりよく話す方じゃないと言うワタナベが
直子が死んだと知った時に荒れる岩だらけの海辺で我を忘れて泣き叫ぶシーンは圧巻だった。音楽も映像も、やり過ぎなくらい荒れて、暗くて悲しいんだけれど、それまでの淡々と美しい音楽と映像の後にそのシーンを観ると、たとえ直子に対して愛情がない私達にも、ワタナベの気持ちが伝わってくるから
この監督は凄いなぁと感じる。

でも、直子役の菊池凛子の演技は少し鬼気迫ってて、怖かった。笑
直子はもう少し儚くて、静かに壊れて行くイメージだったから、大きな声で泣き叫んだり、あんな風にワタナベを見るのは
わたし的には少し違った。
「狂った女」て感じだった。
他に誰にやってほしいかと言われても、分からないけれど。

あとは、会話や人の様子や仕草についてのシーンがあまり多くなくて、その人間についての描写が不充分なのに、セックスとか、それについてのシーンは原作並みに多くて、観ていて少し恥ずかしかった。

特にレイコさんについては、なんだか、可哀想なくらいだった。
あんな中途半端に出すくらいだったら、いっそなくした方が良かったって思った。
レイコさんの直子に対する気持ちも、何故ワタナベを訪ねたのかも不明瞭すぎて、原作読んでない人は???てなったと思う。

あと、私は緑が大好きなのだけど
水原希子はすごく良かったと思う。
演技が下手っていう話も聞くけれど、私はそれも良かったなぁと。
ただ、映画だと緑のセリフは少なくて残念。緑の話はとても好きだから、もっと緑らしい話を沢山入れてほしかった笑

ノルウェイの森の原作を読んだのは10年以上前で、当時背徳感を感じながら親に隠れて読んだのを思い出した。
もう一度読んだら登場人物に対する気持ちも変わるのかなぁと思う。読む。
ただ、村上春樹の書く主人公の男の人はいつでも本当に魅力的。

映画は、上に書いたように色々思うところはあったけど、本当に映像と音楽が綺麗だったのでおすすめです。世界観もレトロで村上春樹の雰囲気を損なってなくて良かった。
気になっててまだ見てない人は観た方がいいと思う。
ただ、Netflixの評価は低かったです。笑

私ももう一度観る気にはならないかもしれないけれど、ずっと観たいとおもってたから観てよかった。