二話

―――異世界
今まで居た世界とは一風変わって
自分の世界ではありえない現象が
起こりうるだろう世界のことを指す。

「リュイ、そなたは私のマスターだ。
 異世界を…私を選んだのだから…。」
女の子の声がする
僕は今全世界の男子が羨むだろう
現状に少しほのぼのしている。
なぜなら、『膝枕』という最上級の喜びを
いま僕は頬を通し感じているからだ。
「リュイ、目が覚めているのだろう。起きろ」
という幸せな時間も終わりを迎えた。
「…君は、誰…?」
声が少しかすれた、聞こえるか聞こえないかの
瀬戸際と思わしき声量だった。
「私はリュイのservant(サーヴァント)…
 リュイの使役精霊とでも例えておきましょう。
 私はミュウ。最上級精霊-シエスタ-級の精霊です。」
サーヴァント?使役精霊?シエスタ?
よく分からない単語を述べられ
数秒思考が停止した気がした。
「…あと、此処は?」
ミュウは驚きと少しの笑みを見せた
「リュイが望んだ、リュイの世界とは反対の
 平和で、幸せな世界…セントラルヴァース(異世界)です。
 この世界…セントラルヴァースは望を叶えるシエスタ級の
 精霊の聖地。シエスタ級の精霊使役者のみが
 訪れられる夢の地…。リュイの住まう世界です。」
ミュウは僕の顔を見ると思いだすように
僕の顔に自分の顔を近づけた。
「まだ…精霊を使役する儀式は終わってません…
 ですが、今からする儀式はあくまで儀式、
 なので、深い意味はありませんよ…。」
ミュウの顔が僕の顔に近づく。
途端、唇に初めての感覚を覚えた。
「ミュウ、な、なにを…」
ミュウは少し照れくさそうにして
「儀式です!」
と大声を出した。
「ミュ…―――!?」
時間が止まるようにして
声がでなくなった。
「キミがリュイ?ワタシのイチバンのシンユウの、
 ミュウのシエキシャ?」
あの戦場で最初に聞いた声がした。
機械の声、不思議な声。
前を見ると――
白と黒の2人の人間の女の子が手をつないでいる
だが、驚く場所が他にたくさんある。
彼女たちを覆う機械と沢山の道具。
まるで実験かなんかに使われているような―――
「リュイ、ソウオドロクナ。ワタシモイチオウセイレイダ。
 ダガトシヲオイスギテナ、キカイナシデハイキラレナイノダ。」
精…霊…――。
精霊にもたくさんの種類があるのか…。
「クシロ、久しぶり。私のマスター…って知ってるわよね。
 クシロがリュイを私のマスターに選んでくれたんだもの。」
クシロは悲しそうな雰囲気を出している。
「ミュウ、ゴメンネ。オニ…リュイは、
 マモリタカッタノ。」
ミュウはそう。というように僕に近づいてきた。
ミュウは後ろから抱きつくような形で僕によりかかる。
「クシロ、でも残念。あなたの大切な人は、私が貰う。
 リュウは私のマスター…私の物…。」
クシロはダメと悲しそうな声で言っている。
僕はどちらの味方なのか。
わからない、ワカラナイ、ワカラナイ
「最後の儀式…リュイと私はずーっと一緒…」
首筋に痛みを感じた。
ほのかに香る血の匂い。―――血?
クシロは叫んでいた。
「ヤメロ…。リュイダケハ…!」
血をすする声が聞こえる。
「精霊はね、ヴァンパイアのなれの果てなの…
 だから…マスターの血をもらわないと生きていけない…
 精霊を戦いとかに使役する時も…
 その中でも私は精霊の王クシロよりも強い精霊…
 血はたくさん貰うけど…ずっとリュイを守るよ。」
ミュウが口を離した途端
魔法陣が現れる、その魔法陣は僕の手の甲に移った。
「リュイは私の…。」
夢が覚めたように気を失った。