キャラバンサライは燃え落ちる | 言葉の掃き溜め

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ほとんどが、音楽関連の雑記です。

前後ろ 逆に履いたら

「前後ろお前が逆だ」と

パジャマにさえ 言われ


右脚をかばい続けてきた挙句

左脚がやられるのを

ただ 見ているだけ


かすめ取って来た糸くずは

座席の隙間に ねじ込んでしまった


キャラバンサライは 炎の中

轟々と 音を上げる

ぼくが放った火によって

最後のチェックアウトから

どれだけ経ったろう

キャラバンサライは 燃え盛る



向かいの席に 座っているあの人は

ぼくのことに 気付いたのに

寝たふりを決め込み


ドアの近くに 立っていた女の子は

制服のまま 降りて行った

悲しそうな顔で


季節を数えるのは もうやめたよ

ギアを上げていく 壊れた汽車


キャラバンサライは 炎の中

轟々と 宙を舞う

ぼくが放った火によって

穏やかな場所が 消えていく

退路も断たれた

キャラバンサライは 燃え落ちる