生前、父が良く言われてたのは、
「アル中だよ。」
「酒乱だよ。」
まぁ、とにかくお酒を飲んで暴れてた。
これも血筋なのか遺伝なのか、
父の父も、またアル中、酒乱と言われてて、
アルコール依存から来てるのか定かではないが、
幻聴幻覚妄想で、精神病院に入院したほど。
(ついでに、母方の父もアル中酒乱と言われてた。
私は、この母方の父と私の父と暮らしてた。
やはり私も、アル中酒乱と言われてました。)
父は、若い頃はお酒が飲めない人だったそうです。
色々な事情で、父はお婿さんでした。
そんな飲めない父が、お酒にはまったキッカケは、
地元の消防団に入ってから。
今は知らないけど、昔は消防団と言ったら酒、
みたいな感じで、なにかと飲み会も多かった。
その中で、若くてお婿さんとして来たもんだから、
先輩に気に入られ、結構飲みに連れてかれてた。
そこで、お酒飲みの父が出来上がりました。
私も、お酒に逃げてた時期があるので、気持ちは分かりますよ。
私が、小学校中学年になったあたりから、
父が酔っ払って、私を殴ったりするのが始まった。
後から母に聞けば、ちょうどその時期位に、
父は会社で、役職をもらって部下も出来て、
かなり仕事でのストレスがあったようです。
でも、毎晩、浴びて飲んでれば、家族も黙ってないので、
父は、会社から家に帰る車である程度飲んでました。
父の車の後部座席に座ってると、運転席から、
酒のビンが、ガラガラと転がってきたりしてた。
車で下地を作って、家で晩酌。
母とは、この酒の事も理由のひとつで離婚してます。
ナニをしても、お酒はやめなかったな。
父の酒の席での事件は、また改めて・・・。
母と離婚した父、ヒトリ暮らしになりました。
当時、私が18歳か19歳くらいかな。
父の住んでる家は知ってたけど、ほとんど会いに行かなかった。
その間も途切れず、お酒は飲んでたようです。
私が21歳の時に、結婚する事になったので、
一応、旦那さんも連れて父の家に挨拶に行きました。
私が、父に 「ちょっと話したい事があるんだ。」
って電話してたもんだから、父はてっきり、
「子供が出来た、か金貸してくれ」 だと予想してたみたい。
それで、私は結婚で父との家から遠くなったのもあり、
2年間、会ってなかった。
ある日、突然父から電話が来て、
あれは忘れもしない私が犬の散歩で公園にいた時でした。
電話出ると、父が泣いてるんです・・・。
「○○○(私の名)、助けてくれよ!俺やばいんだよ!
耳の中で、何がすごい音がしてるんだよ!
ずっとガサガサゴーゴー音がしてるんだ!
俺、頭おかしくなっちまうよ!」
って、泣きながら・・・。
私は、父の泣いてるところは、1度しか見たことなかったけど、
もう、止まらない感じで泣いてる・・・。
私は、すぐお酒から来る幻聴だな、って分かってたから、
父に 「パパ、お酒やめな。 それは、きっとお酒からだよ。
一緒に病院行くから、病院に相談しよう。」
って言って、落ち着かせて電話を切りました。
当時の友達に相談すると、
「おまえには荷が重すぎるぞ。大丈夫か?」
と逆に心配されたけど、あんな泣いてる父を何とかしたい!
って、後日病院へ行きました。
普通の精神科じゃダメだと思ったから、アルコール薬物依存専門の病院へ。
そこで、診察ですが私も診察室に入って、医師と話しました。
そうしたら、アルコール依存のチェックがあって、
医師が、ファイルを1枚1枚読んで聞いて確認。
そのファイル、何項目かあったけど私は1つしか覚えてない。
そのひとつは、「お酒が原因で、会社をクビになったり離婚などになったか?」
で、父はお酒も離婚の理由になってますから、ハイと答えたわけですよ。
診断は、やはり「アルコール依存症」でした。
幻聴が辛いというので、クスリを出してもらいました。
きっと安定剤だと思うけど、クスリを飲めば幻聴もなおりますよ。
って感じでした。
そして、何日か経って父は
「クスリってすごいな、まったく幻聴はない」
って言ってた。
でも、お酒は変わらず飲んでたようです。
それで、私も安心して自分の生活に戻りました。
それから1年位、調子が良かったみたいだけど、
たまに変なことは言ってた。
父は、ギターを弾く人だったんだけど、
父がね、家で弾きがたりをしてると、隣りから
「うまいですね、今度はあれ歌って下さいよ」
とか聞こえてくるんだって。
テラスハウスだったから、隣りはいるんだけど。
そんな事がある訳ないじゃんって、思ったよ。
でも、なんだか男の声で、弾きがたりの事を言われるのが多かったらしい。
それで、もう隣りの人がうるさいからって、引越しまでしましたよ。
私は、おかしくて笑っちゃうのと、どうしたものか、と複雑だったな。
そして、今度は普通のアパートに引越しました。
引っ越して1ヶ月も経たない内に、父は逮捕ですよ。
罪名は「器物破損」でしたけどね。
どうやら幻聴が元のようです。
父が、アパートにいて又隣りの人が何か言ってるって。
で、父は隣りの家に行って、隣人に文句言ったらしい。
運悪く、隣人は妊婦さんだった。
妊婦さんは、猫を飼ってたらしく、「家の猫が何か迷惑をお掛けしましたか?」
と言う会話をしたらしいが、妊婦さんも怖くなってドアをしめたそうです。
そのドアを父は無理矢理開けようと壊したらしいです・・・。
そして、警察が来て現行犯逮捕ですよ・・・。
私は、大家さんに謝罪をして、父の弟が隣人のご夫婦と示談をしました。
父をアパートから引っ越させるだけでは危ないので・・・
(隣人の方は、自分達の居場所が分かってるので引っ越したいと)
そして、父は留置場へ。
面会に行ったら、「ここでは、何も聞こえない。
やっぱり、あの隣りの人がおかしかったんだ」 と言ってる。
歯ブラシを買ってきてくれ、って言うからコンビニに行ったり・・・。
着替えを持っていったり・・・。
今思うと、私も20代前半だったのに、よくやったな、と思うよ。
もうコレは、無理矢理にでも病院に入れなきゃ、って、
精神鑑定をお願いしました。
精神鑑定も、「お願いします」「はい分かりました」って訳にはいかない。
私達が、検事さんの元へ出向きましたが、子供の頃からの事を話さなければいけないので、
父の継母も一緒に行きました。
そこで、色々お話して やっと精神鑑定になりました。
精神鑑定は、2名の医師が診て治療が必要かどうか決めるそうです。
ヒトリの医師は、治療必要なし、もうヒトリの医師は、治療が必要、
と判断し、一人が治療が必要と判断すれば、そのまま措置入院です。
父は、そのまま措置入院になり2ヶ月入院しました。
お見舞いと言うか、病院に行ったら
父は、隔離室にいてさ・・・。
もう、私は何とも言えない気持ち。
情けないし悲しいし。
着替えもないって言うから、服も何枚か買って持ってって。
こんな事があったもんだから、私もこの時期にスリップしたな。
2ヵ月後、父が弟と一緒にうちに来ました。
退院したから。
2ヶ月ぶりに会った父の顔が、本当に普通の顔で・・・。
子供の時に見た父のシッカリした顔で・・・。
なんだか、何ともいえない気持ちになった。
やっと元の父に戻ってくれたって思った。
ここから、父のホームレス生活が始まりますが、
お酒からの幻聴で、ここまでになっちゃうんですよね。
本人だけでなく、関係ない近所の人や大家さん、身内・・・。
あの時、みんなが必死に動いて、ただ目の前の事を片付けなきゃって。
私は、ただ一人、天涯孤独な人でも、
ヒトリの幻聴によって、これだけ多くの人に迷惑が掛かるんだ、って、
実感しました。
自分だけでは済まないんだよ、って。
たまたま、妊婦さんはドアを閉めたから良かったものの、
あのまま、父が何をしてたか妊婦さんは何をされたか、
最悪な状況までありうるうんです。
お酒やクスリで、幻聴や妄想が出てきたら、とりあえずストップして、
病院に行くのが、自分も周りも守ることになるかも知れない。
お気をつけてね・・・(^Д^)
(最後の家族旅行で撮った写真です)
