陸上・中距離(800m)選手の練習メニュー

陸上・中距離(800m)選手の練習メニュー

陸上競技で800mを専門で記録を伸ばしたい人のための練習メニューブログです。

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自分のことですが、11月後半にハーフマラソンを走ってきました。

1時間21分19秒。

自己ベストを更新できました。

11月はあまり練習ができていなかったのですが、そのおかげで疲れや足の痛みなどがなくフレッシュな状態で出場することができました。

5kmごとのラップですが
19分17秒
19分1秒
19分33秒
19分40秒
残り4分8秒
くらいで走りきることができました。

やはり距離を踏めていなかったことで後半落ちてしまいましたが、体重を落とせていたことで思った以上にはタイムが落ちませんでした。

今季はまだ次のレースは決まっておらず最近はさぼりぎみですが、マラソンのサブスリーが見えてきましたね。
合宿時や走り込みをしたいときにおすすめのメニューとして「100m×100本」があります。

本数だけ見るととてもこなせないような感じがしますが、意外と走れるのです。

100mを80~90%の力で走って30秒休憩を100回繰り返します。

合計10kmも走りますので、少しやりすぎ感がありますが、忍耐力や達成感を味わうには持って来いの練習です。

普段あまり100mを走ることがないと思うので気分転換にもなります。

もちろん普段の練習の中で加えるのであれば本数を減らして、400mトラックであれば直線だけでなく、コーナーも使ってより実践的な練習にすると良いかと思います。
高校生の走りなどを見ていると「もったいない」と思うことがあります。

せっかく良い走りをしているのに、上半身がぶれてしまっており、腕ふりが「前」ではなく「横」になってしまっていることが多く見られます。

走るというのは、当然前へ進むことですから、腕が横に流れて良い訳がありません。

マラソンをゆっくり走る人であれば腕ふりをリズムのために横に流しても良いかもしれませんが、中距離走においては、そんなことはしていられません。

しんどくなってくるとどうしても腰が落ちてしまい、腕も横に流れたり、抱え込んでしまうものです。

必要以上に腕や大胸筋を鍛える必要はありませんが、腰回りの安定感と800mを走りきれるだけの腕の筋肉をつけておきましょう。

そのためのトレーニングとして、腹筋の体制(ゆりかご状態)をしながら腕ふりをすることです。

100回×3セットくらいが目安です。

↓のサイトで「シーテッドアームスイング(腕ふり)」が紹介されていますが、
http://www.meiji.co.jp/sports/savas/lecture/training_g1_2.php
こちらでは両足が地面についていますが、この両足を少し浮かせるということです。

足を浮かせながら腕をふるとバランスが悪くなりますから、できる限りぶれないように体制を保ちながら、腕を大きくふります。バランスを重視しすぎて腕ふりが小さくなってしまうと本末転倒ですから、しっかりと腕をふることを心がけましょう。

これなら家でもできますので、毎日行うことで体幹と腕ふりを同時に鍛えていきましょう。
練習後に補強(腹筋、背筋、腕立て伏せ)をすることをお勧めします。

それぞれ1日に300回から500回くらいできれば良いでしょう。

回数が多いので一人でやると続けられないかもしれないので、練習メンバーといっしょにやると楽しくこなすことができると思います。

特に、ただ同じ腹筋、背筋、腕立て伏せをすると飽きてしまいますので、例えば腹筋であればV字腹筋、側筋、ゆりかご(背中を地面につけて上半身と下半身を上げた状態で止める)などいろんなやり方をすれば楽しくなります。

もちろん腹筋、背筋、腕立て伏せ以外にも体幹メニューや腕ふり、フロートなどを入れて、腹筋→背筋→腕立て伏せ→(腕ふり)→100mダッシュを5~10セットなどといったやり方でも良いと思います。

メニュー間、セット間は休みを入れず、一気にやってしまいましょう。

これらのメニューは体幹系が強くなります。

ラスト200mが大事な800mでは、体幹をしっかり鍛え、ラストスパートをしたときにでもフォームが崩れないようにしましょう。
レペティショントレーニングは中距離選手がよく行う練習です。

レペティションとは「反復」などと言った意味ですが、筋持久力を上がてかつ、心肺機能を上げるという最強のトレーニングです。

短い距離をほぼ全力で走り、十分に休息を取ったあとに、また短い距離を全力で走る、という方法ですので、インターバルトレーニングとは間の休息時間が大きく違います。

レペティショントレーニングは体への負荷が多いので週に1回程度にしてください。
次の日は完全休養日に充てると良いでしょう。

1,500mの選手であれば1,000m+1,000m+1,000mといった具体で良いと思いますが、800mの選手の場合は、600m+200mか600m+300mを1セットと考えると良いトレーニングができます。

つまり例で言うと

600m+200m(r=200mjog)×3セット(r=20分~30分)
600m+300m(r=100walk)×3セット(r=20分~30分)

という具合です。

入りの600mとラストの200m(300m)を自身のベストタイム以上に走ることで筋持久力を鍛えます。

800mを2分で走る人であれば600mを88秒、200mを28秒程度で走ってください。

レペティショントレーニングは過酷な練習のため1セットを終えるだけで相当な疲労に襲われます。

目的はしっかりと走り切ることなので、セット間の休憩はしっかりとって、2セット目、3セット目でもタイムが落ちないようにしてください。休息を短くして無理にするくらいならインターバルトレーニングの方が効果的です。

また、セット間の休憩の際はずっと座りっぱなしではなく、軽くウォーキングをしたり、ゆっくりジョギングするなどして、筋肉を固めないようにしてください。

止まってしまうと次のセットの際、筋肉が付いていけず怪我を起こす原因となります。

試合より疲れてしまう練習です。

レペティショントレーニングを行う前日は軽いjogやペース走程度にしておくなどして、2日連続で過度な練習にならないよう気を付けてください。
中距離選手にとってかかせない練習メニューがインターバルトレーニングです。

速い、遅いを繰り返すことで負荷をかけて筋持久力を高めることができます。

最低でも週に1回は入れておきたいメニューです。

距離としては200mが基本となります。

200m×10本というのがオーソドックスなメニューかと思います。

中・高校生などで1,500mも出るよ、という人でしたら、200m×20本など本数を多くするのも良いかと思います。

タイムの基準としては自分の800mのベストタイムと同じペース。

800mを2分で走る人なら200m30秒で走って、間のレストを100~200mjog(ゆっくりなペースで)。

20本をこなすようであれば1,500mのベストタイムと同じペースで、その分間のレストのjogを少し速めに走ると良いでしょう。

少し負荷をかけたい週は300m×8~10本(rest=100jog)にするとかなりきついですが、中距離らしい良い練習となります。

800mはなんでも200m単位で考えることが多いので、入りの200m、中盤の200m、ラストの200mなどシーンを思い浮かべながら意識して走ると良いでしょう。

特に最後の1本はラスト200mだと思ってペースを上げることをおすすめします。
無理やり本数をこなしてラスト1本を惰性で走ってしまうくらいなら、本数を減らしてでもラスト1本を上げたいところです。

800mはラスト200mが肝心です。

練習のときからしんどくなった最後でもペースを上げるという感覚を日頃から持っておくと、レースでも自然と切り替えができるようになるでしょう。
グラウンドに出てから帰るまで、練習は行われます。

単純に与えられたメニューをこなすのではなく、最初から最後まで意識した練習をしましょう。

イチロー選手が毎日ルーティンワークをしていることは有名ですが、メインとなるメニューをしっかりとこなすために、前後の準備が大事です。

①ウォーミングアップ
500m~1,000mくらいをゆっくりしたペースで走ります。
このとき、だらだらとしたフォームで走るのではなく自分の体に異変がないかなどをチェックしながら気持ち良く走りましょう。

②準備体操・柔軟
おそらくチームに所属しているとみんなで準備体操をすると思います。ウォーミングアップで少し温まったところで、手足や腰回りをしっかり動かしましょう。これで体が起きてきます。
また、イチロー選手のように可動域を意識した柔軟も必要です。特に股関節回りや肩回りはしっかり柔軟体操を行い、可動域を広げていくとより高いパフォーマンスを出すことができます。体が硬い人は怪我をしやすいのは言うまでもありません。バランスボールなどを使うと楽しくできます。

③ストレッチ
ストレッチには十分時間を使いましょう。ポイント練習の時は特に20~30分かけて良いと思います。ストレッチもチームのメニューがあるかと思いますが、1つ1つの筋肉を伸ばすことを意識して、手抜きをしないようにしましょう。また、ここでも股関節回りのストレッチに重きをおいていますので、より時間をかけるようにしています。

④基本練習
中距離選手でも短距離選手のように基本練習をしましょう。
頭のてっぺんからおしりまでの自分の体の中心を意識して、普段の走るフォームよりオーバーなアクションを行います。
よって基本練習の意識としては
①軸を作る
②可動域を伸ばす
です。
ランジやもも上げなどは普段走るフォームから考えるとオーバーなフォームです。しかし、そのオーバーなアクションを体に覚えさせることで、普段のフォームの可動域が伸び、かつ大きなフォームになってもぶれにくくなるという利点があります。
せっかくきつい練習をしても軸がぶれていたり可動域が狭いと伸びしろが少なくなります。
面倒な練習ではあるのですが、毎日しっかり行いましょう。

⑤jog(15~20分)
ゆっくり走ってください。メイン練習をする前のアップです。基本練習で意識したことを、ゆっくりとした余裕のあるペースのジョギングのときに体に染み込ませていってください。

⑥フロート(100~150m×3)
いわゆる「流し」です。硬くならず、リラックスして70~80%くらいのスピードでフォームを意識して走ってください。ここで速く走りすぎるとメイン練習の影響があるので無理せずに行ってください。

⑦10分ほど休憩
メイン練習まで着替えたりスパイクを履いたりして、メンバーと談笑などしながらリラックスしておくと良いでしょう。もちろんメイン練習の数分前からは切り替えて、本日のメイン練習の意味を考えて臨みましょう。

このようにメイン練習するまでにかなりの練習を行いますので上級者向けです。①~⑦までで60分~90分くらいかかります。初心者の人が行うとメイン練習の前に疲れてしまいます。

また、なかにはメイン練習前に軽く腹筋などして、意識する筋肉を体に覚えさせるという人もいます。

⑧メイン練習
その日与えられた練習をこなしてください。

⑨jog(10分)
メイン練習後は筋肉が固まってしまっていますので、いきなり止まらずにゆっくり走って筋肉を固めてしまわないようにしましょう。

⑩補強
腹筋、背筋は300~500回、腕立て伏せは200回程度行います。
一気にやってしまうのではなく50回を10セットなどしてセット数を多くしてこなすようにしましょう。
1人でやるとモチベーション維持が大変なのでメンバーと行うと良いでしょう。

⑪ストレッチ
最後に十分ストレッチをして終了です。

こう見ると練習メニューに書いている200m×10とか(600+200)×3とかメイン練習よりも、それ以外の練習の方が圧倒的に時間がかかります。
それだけスポーツというのは準備が大事ということです。

中にはメイン練習だけして終わり。という人もいますが、より自分を高めていきたいという人には
しっかりとした準備をすることをおすすめします。

また、練習前後にアミノ酸を摂ったり、練習中にも十分水分補給を行い、ばてないようにしましょう。特に複数人で練習をする場合は、水分補給など声を掛け合うことで脱水症状などを未然に防ぐことができます。