ドラッカーを学ぶ/埼玉のドラッカリアン和光良一 -2ページ目

ドラッカーを学ぶ/埼玉のドラッカリアン和光良一

ドラッカリアンとは、ドラッカーを理解、実践する事が大好きな人たちの総称です。チェンジリーダとは、ドラッカーによればイノベーションを行う者です。

今回もドラッカーの文章の引用から。

「計算尺が高校生を数学者にすることはない同じようにコンピューターが事務係を意思決定者に変えることはない。しかし、コンピューターの出現によって事務係と潜在的な意思決定者を峻別することが不可欠となる。そしてコンピューターの力によって意思決定者は成果を上げるための意識的な意思決定を学ぶことが可能になるとともにそれを学ぶことを強制されることになる。なぜならば誰かが成果を上げる意思決定を行ってくれなければしかも、その意思決定を正しく行ってくれなければコンピューターは計算のしようがないからである。コンピューターの出現が意思決定に対する関心に火をつけることになった理由は多い。しかしそれはコンピューターが意思決定を乗っ取るからではない。コンピューターが計算を乗っ取ることによって組織の末端の人間までがエグゼクティブとなり成果を上げる決定を行わなければならなくなるからである。」(『経営者の条件』p.216)

 

コンピューターを使うことによって多くの人がエグゼクティブになることが求められる、つまり意思決定のこと、意思決定をする方法について学ぶ必要があるということをドラッカーさんは言っている。

コンピューターを使うというと、私たちはユーザーとして使うイメージが多いのではないかと思う。
システムがあって、そのシステムを業務で使うというイメージである。その場合は、これは確かに意思決定というものはあまりイメージできないと思う。ユーザーとしてシステムを使う場合は、ここでドラッカーさんが言っているような意思決定というのは必要ない。

コンピューターを仕事で使うことによって意思決定を学ぶ必要があると言っているのは、業務にシステムを導入する時のイメージである。システム導入、今DXとか色々言われているが、そこまで大げさではなくても、例えばExelを使ったり、Exelの関数を使ったり、マクロを使ったりとか、そういうレベルも含めてである。最初にシステム設計をする段階で、ここで意思決定というものを学ぶ必要がある。意思決定ができないと使えないということを言われているのである。

 

 

 

この本が書かれたのは1967年なので、今から50年前である。その当時よりもむしろ今の方がこの言葉は噛みしめていかなければいけないと私は思っている。
Exelのマクロもそうであるが、コンピューターを使おうと思ったらやはりプログラミングを学ぶ必要があり、結構それだけでハードルが高いのである。

 

なので誰でもコンピューターが使えますという時代がすぐには来なかった。1967年にドラッカーさんが書かれた時はもうすぐそういう時代が来るのかと思ったのだろうが、ちょっと時間がかかった。50年ぐらいかかっているが、今はノーコード開発とか言ってプログラミングしなくても業務アプリが作れますよということが言われている。サイボウズさんのキントーンなどではそういうことができるということであり、もうどんどんプログラミングの勉強しなくても業務をコンピューターに適用していくということができる時代にこれからどんどんなっていくのである。

 

それで、そうなってくると今まではそのコンピューターを使うところがハードルが高く、そこがネックになっていたが、そういうところのネックはなくなって本当の意味でその意思決定するべきところにフォーカスがこれから当たってくると思う。

 

システム開発まで行かなくてもさっき言ったExelの関数など、使ったことがある人だったらちょっと考えれば分かってもらえると思うが、コンピューターを使うということはコンピューターに正しい問題文を出すということなのである。

 

関数もプログラミングも「こういう問題があります、その問題を解いてください」という問題を明確に定式化するということなのである。これがExelの関数ぐらいだったらそんなに難しくないが、大勢の人が絡んでくるような業務フローとか、その他部門が絡んでいる、昔なら伝票で情報をやり取りして仕事を回していくようなものであったりとか、お客さんが絡んでいたりとかするとものすごく複雑になっていて、その中でそれを定式化してコンピューターにやらせようと思ったら、もうしっかり問題を明確にしなければいけないのである。なあなあでは済まない。人間同士だったらそこはお互い阿吽の呼吸でみたいなことができたところが、コンピューターはそこは明確にルールを決めておかないとコンピューターはやれないということなのである。
 

そこに意思決定が必要になってくるのである。
この業務はこういう業務にしますということを明確にして、こういう場合はこうします、こういう場合はこうしますという場合分けを明確にして、それを定式化しないとそれをコンピューターに落とし込めないのである。

 

そこを明確に決めるというところが意思決定になるわけである。そしてそれをやるということが意思決定の訓練になるのだとドラッカーさんは言っているのである。なのでこれから本当の意味での意思決定というのがコンピューターを使うことによって必要になってくる。学ぶ必要になってくる。
 

その時にこの「経営者の条件」を読んで頂くと私は良いのではないかと思う。「経営者の条件」の6章7章である。意思決定について書かれている。ここに書かれていることは本当にシステム開発などにそのまま流用できるような話が多いのではないかと私は思う。

是非システム開発されている方は「経営者の条件」を読まれたら良いのではないかと思う。
 

以上の文章(『経営者の条件』からの引用の後の文章)は、私がブログで喋った内容をCopilotで文章語に変換したものです。コンピュータにコンピュータの使い方について書き直してもらうの、味わい深いです。


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