あの頃に戻りたい、

なんて言ったところでどうにもならないのにね。



あの頃だって戻りたい過去はあったし、その時その時の悩みも腐るほどあったはずなのに

それが思い出になった途端、今より輝いていたように感じる。



そこには、今の自分ならああした、こうした。

とか

どうしてあの時自分はあんなことをしたんだろう、こんなことをできなかったんだろう。

なんていう後悔なんかもあって。



過ぎた時間が自分にとって大切なものであればあるほど、その有り難みを本当の意味で理解できていなかった未熟さがどんどん浮き彫りになって来る。



今の自分なら、もっと、もっと有意義に過ごすことができたのに。

今の自分なら、あの時間を一瞬たりとも無駄にはしないのに。

って具合にね。



そして、そんなこと考えているうちに、

"今"目の前にあるはずの大切な時間をどんどん浪費していく。



ホントに、馬鹿みたいよね。

結局なーんにも変わってない。



いつか今日この瞬間が思い出になる日が来たとしてもきっと、

あの頃に戻りたいあの頃は楽しかったあの頃はあの頃は…って、相も変わらず

今と同じように
過去に束縛されて、現実から目を逸らしながら生きているんだろうね。



あの頃も、今も

時の尊さは何一つ変わらないのに。



通り過ぎて気づいたところで、もう遅い。

時間は戻らない。


でも、それは"今"においても同じこと。



今、手元にある大切なモノ。

大切な人。大切な場所。

側にいて当たり前だなんて思っちゃいけない。

側にあって当たり前だなんて思っちゃいけない。

別れはいつ訪れるかわからない。



だから、後悔の無いように、今出来ることは全部やっておかないとだよね。



ただ、どんなに頑張ったところで後悔はするのが人間だと思う。



その時は全力を尽くしてもできなかったことを、

時が経つと「いや、できたかもしれない…」なんて考えだすのよね。



いずれにせよ、んなこと考えたって仕方ないんだから

仮に、思い出が纏わり付いてきたとしても、

「あの頃、楽しかったな」
「あれは失敗だったな」

くらいに留めておいて

"今"を過去に費やすような愚行は避けたいものね。