彼がどれほどすごい韓流スターなのかを改めて感じさせる「ベンジャミンバトン」レビュー

時間は逆に流れますが、愛は永遠です。

「またどこに行ったの？それでも今回は3分も一緒だった」

家族の中で誰か認知症を患った経験がある人は知っている。一緒にいても覚えておらず一緒にできないその悲しみ、ちょっと待っても帰ってくる記憶にまた安心するようになるその刹那の幸せ。最後の別れの瞬間まで記憶を失わないことがどれほど切実で大切なのか。

「ベンジャミン・ボタン」は、このような経験をした人たちの胸に有毒なよりムンクルに近づく作品だ。認知症を患うブルーのために周辺の人々が何とか記憶を蘇らせようと状況劇をし、そのしばらく戻ってくる記憶に幸せになる場面が短いが深い印象を残すためだ。

米国の作家フランシス・スコット・フィッツジェラルドの小説「ベンジャミン・ボタンの奇妙な事件」を原作とするミュージカル「ベンジャミン・ボタン」は要約すると認知症を患う愛する女性と一緒にした人生を反芻する話だ。

作品は電車で認知症を患う老年の女性ブルーと彼を愛する若いベンジャミンが出会う場面で始まる。そして二人が初めて会った9歳に戻ればブルーが若い女の子でベンジャミンが老人になる。生体時間が逆に流れるベンジャミンは高齢者として生まれ、ますます若くなる人物だからだ。

時間は異なるが流れるが、人生の「スイートスポット」がブルーだと確信するベンジャミンは一生にわたってブルーを愛する。歌手の夢を抱くブルーは生きながら多くの紆余曲折を経験するが、ベンジャミンはいつも変わらずブルーのそばを守ってくれ、ブルーのために心を使ってくれる。「なって消えて」という歌のタイトルのためにせいぜい出演したラジオで嘲笑して傷つくブルーを慰めるなど、ベンジャミンが一生にわたってブルーに献身する姿はとてもロマンチックに迫る。「私はすでに老いた。私はしわを愛することを知っている」というベンジャミンのセリフは、外観に関係なく愛するということが何なのか改めて目覚め、濃い感動を残す。

「ベンジャミンボタン」は時間を素材にした作品だけに時間の意味を格別に振り返る。スイートスポットといえる人生の全盛期でなくても、残りの人生に対する悩みと、その人生を大切にまた忠実に生き出すことの意味を覚醒させる。振り返ってみると、人生のすべての時間は愛で満たされたことを、時にはずれて思い通りにならなかった瞬間も、多分必ず必要なスイートスポットだったことを悟らせる作品だ。

世界的な人気を集めた映画「ベンジャミン・ボタンの時間は逆に行く」では、ブラッド・ピットが眩しい美貌を誇り、年齢を逆に食べる役割を素敵に消化したことがある。ただ、これは編集が可能な映画だったため、リアルタイムのミュージカルでは木彫人形（パペット）をベンジャミンが操縦する方式を通じて逆に流れる時間の流れを示す選択をした。パペット作家ムン・スホが「パペットは公演の中だけで生きている存在であり、その役割だけのために誕生した俳優」と述べたように作品の中で視線をひきつけ、格別な存在感を誇る。

愛と人生という極めて伝統的でありながらも永遠に美しいテーマを扱った作品であるだけに、ナンバーも叙情的で甘い。 1920年代ジャズクラブを背景にしただけに力あふれるジャズ曲も多様に構成された。

この作品はグループ東方神起チェガン・チャンミン(本名シム・チャンミン)のミュージカルデビュー作という点でも話題だ。この公演が他の公演より日本観客が特に多いという点は、彼がどれほどすごい韓流スターなのかを改めて感じさせる。シム・チャンミンと共にキム・ジェボム、キム・ソンシクがベンジャミンを引き受け、キム・ソヒャンとパク・ウンミ、イ・アルソルがブルーを引き受けて美しい人生を歌う。

30日まで。ソウル鍾路区世宗文化会館Mシアター。⠀